石田ゆうすけのエッセイ蔵

旅作家&エッセイスト、石田ゆうすけのブログです。


※親サイトの『7年半ぶっ通しチャリ世界一周』はパソコンを新しくしたためにストップしたままです。
近況報告や各種案内は、もうしばらく、当ブログにて行います。
トットちゃんに息を呑む

黒柳徹子の自伝『窓ぎわのトットちゃん』

は戦後最も売れた本らしい。
僕が中学のときにブームになった記憶があるが、
流行りものには「けっ」と反射的に背を向ける

当時の僕は(今もか)読まなかった。

どうせ”いい子ちゃん文学”でしょ、と。


その本を原作とするアニメ映画

上映されると知ったときも

やはり食指が動かなかったのだが、
先月、この映画の関係者の家に遊びにいったら

前売り券をくれたのだ。

どうしよう、時間ないな、

と思ったのだが、その次の瞬間には

いや観てみようか、と翻意していた。
というのも最近観にいった映画の前に

トットちゃんの予告が流れていて、

妙に気になっていたからだ。

(ちなみに最近観たのは『ゴジラ』と『首』。

感想はどちらも「うーん…」)
予告だけでなんだか泣けてしまった。
まあ昭和前中期の日本が丁寧に描かれていたら、
それだけで僕は涙腺がゆるむんだけど。

 

映画館で観たらマジで泣けた予告。これを観るだけでも完成度の高さがわかります。

背景はすべて手描きの水彩画だそうな。


というわけで公開初日の先週金曜日に

早速観にいってみたら、

開始10分ぐらいから涙が出始め、
なにこれ? すごいやん、傑作やん、

と終始感嘆し、目も鼻もぐしょぐしょ、

エンドロールが流れ、劇場が明るくなったときは

なんていいものを観たんだ、

という満足感と幸福感で胸がいっぱいだった。


おしゃべりで、ちょっと変わっている

小学校1年生のトットちゃんは、
いろんなことに夢中になるあまり
授業をたびたび中断させてしまう”困った子”。
先生たちの手には負えず、
「お願いだからよその学校に行って」
と頼まれ、転校した先が、自由教育を実践する
当時としては先進的な「トモエ学園」だった。


そこの校長先生と面談の日、

脈絡なくしゃべり続けるトットちゃんの話を
校長先生は延々と聞き続け、
いい加減しゃべり疲れた彼女に、優しくこう言うのだ。
「もうないのかい?」
えっ?と相手を見返すトットちゃん。
その彼女の頭をなでながら、
校長先生はこう続ける。
「君は本当は、いい子なんだよ」


もともとの原作がおそらく優れているうえに、
それをさらに磨いて磨いて言葉を削ぎ落とし、

ブラッシュアップしているから、
短い言葉や何気ないシーンの一つ一つに

深く息をつきたくなるような奥行がある。

“お涙ちょうだい”ではないのに涙が出る。
説教臭さは皆無なのに含蓄があり、

心の奥に染み渡る。

映画としての完成度の高さに息を吞む思いがした。

 

それともう一つ、この映画が

僕の琴線に触れたのには個人的な理由があった。
4歳の我が豚児がトットちゃんにそっくりだったのだ。
普段こういうのでは泣かない相方の虎キチKも
映画館を出たあと聞けば、

僕同様ずっと号泣で、やはりトットちゃんが

豚児にしか見えなかったらしい。


いや、本当に観てよかった、
いろいろ考えさせられたな、
自分たちは娘に怒り過ぎていたかもしれない、
その怒りの大半は大人の都合によるものだ、
子供の側から世界を見なければいけないよな、等々、
僕らは映画の余韻にどっぷり浸りながら
自戒を込めてたくさん語った。
映画館を出る前と出た後では
目に映る世界が違っていた。


その約3時間後、保育園に豚児を迎えにいき、
そのあと虎キチKが豚児を連れて小児科病院へ。

30分後、保湿剤をもらって帰ってきたと思ったら、

豚児は鼻水を垂らして泣きながらギャアギャア叫び、

虎キチKは目を吊り上げて、

「スマホでゲームやらせてってうるさいねん!」
とブチ切れている、という日常にもう戻っていた。

 

 

 

 

 

| 映画 |
レイティングを下げてまで上映

アルプスの少女ハイジの

エログロバイオレンス18禁映画

「マッド・ハイジ」
上映延長も今日までか、と切ない思いで

新宿武蔵野館のサイトを見ると、

こんな文字が目に飛び込んできた。

《ご好評につき延長決定! 8月10日まで!》

 

しかも高校生でも見られるようにと、

わざわざぼかしを入れてレイティングを下げた

15禁バージョンまでつくられたという。

 

これで

・オリジナル字幕版

・日本語吹き替え版

・ぼかし入りの15禁版

という3つのバージョンが

上映されることになったわけだ。

いいなあ、みんな暑さで頭がやられてる。

 

でもそれぐらいされてしかるべき名画であることは間違いない。

アメリカの批評サイト「ロッテントマト」を見てみると、

こういうアホ映画には珍しいほどの高評価だった。

 

 

観客の評価が95%と高いのはなんとなくわかるが、

(それでも意外だったが)

批評家たちの評も87%と好意的だったことに驚いた。

 

というわけで見ようかどうか悩んでいる方はぜひ。

たいしてグロくないので

(完全にギャグだから)

18歳以上の人は18禁をお勧めします。

ちなみに僕の好きなキャラは

知能レベルが幼稚園児ぐらいの大統領です。

 

| 映画 |
狂ったハイジ

何があっても一昨日の井上尚弥と
阪神の追悼試合は見たかったから、
パソコン画面を三分割にし、
二つの試合を同時に視聴しながら原稿を書iいていたのだが、

そこまでして仕事をしたのにはわけがあって、
昨日、この映画を朝から見にいくためだった。
「マッドハイジ」

 

アルプスの少女ハイジの実写版で、
18禁という代物だ。


※以下、多少ネタバレあり。
鑑賞にほぼ影響しないと思うけど。


いやはや期待を裏切らない快作だった。
冒頭、ハイジの最初のフレームインは
ペーターとのベッドシーン。
(行為後のピロートークだったけど)
ペーターはなぜかちゃらい黒人男性。


頭のいかれた悪徳チーズ会社の親玉が大統領となり、
腐敗しきった独裁国家となったスイスが舞台。
山羊の上質チーズの違法製造と密売に
手を染めていたペーターはハイジの前で斬殺、
おまけにおじいさんは家と共に燃やされ、
ハイジは大統領のペットとして連れ去られるが、
いろいろあって最強の女戦士となり、
大統領軍を次々にグロくぶちのめす、
という感動大作だ。
ハイジが「クララ立って!」と叫ぶシーンは
涙なしには見られなかった。
ロッテンマイヤーさんや山羊のユキちゃんも出てくる。

 

実写版「アルプスの少女ハイジ」のハイジとおじいさん

 

「マッドハイジ」のハイジとおじいさん

 

「マッドハイジ」のペーター


見始めてからしばらくは若干後悔していたが、
やがてその世界観にアジャストしていき、
見終わった今は名画を見た後のように
様々なシーンが何度も脳内でリフレインしている。
時間がたてばたつほど
映画愛に満ちた傑作のような気がしてきた(本当に)。


1900円を払って観る価値があるかというと
それは本人の感受性次第としか言えないが、
水曜の映画サービスデーの1100円でなら観て損はない、
というか観たほうがいい。いや絶対観るべきだ。
新宿武蔵野館の上映は明日までの予定だったが、
予想外の盛況を受け、8月2日(木)まで延長となった。
みんなアホやろ。


もっとも、前夜、パソコン画面を三分割にしたうえに

深夜3時過ぎまでせっせと仕事し、

翌朝いそいそとこのアホ映画を見にいく僕を、

相方虎キチKも冷たい目で見ていたが。


あ、ちなみになんと日本語吹き替え版までつくられ、
僕はそれを見たのだけど、
こういうアホ映画は吹き替え版がいいかもしれない。

 


見終わると急いで帰宅し、
14時から女子サッカーW杯のコスタリカ戦を観戦した。
ああ、忙しい忙しい。
格下との対戦が続いているからかもしれないけど、
今回の日本代表はかなりいい。
少なくとも前監督のときより観ていてずっと面白い。
次は1次リーグ最大の見どころ、スペイン戦。
地上波で放送ありますよー。
7月31日(月)、16時からNHK総合にて!
 

| 映画 |
全米が〇いた映画

たまっていた仕事がやっと片付いたので
久し振りに映画館に行った。
観たのは「全米が泣いた」ならぬ
「全米が吐いた」という触れ込みの
「テリファー2」だ。
映倫のレーティングは堂々の最高値18禁。
こんな悪趣味な映画誰が見るんだろう、
と思いつつ、劇場に入ると
若い女性もけっこういる。
なぜか350席もの大型劇場でやっていて、
ガラガラだったが一番の前の席には
70歳を越えていそうなお爺さんが一人でいた。


いやあ最低だった。
たいしたことないだろうと思っていたけど、
本当に吐く人がいるかもしれない。
こういうアホ映画はけっこう観ているほうだと思うが、
いろんな意味で一番ひどかった。
ただただグロい。
容赦ないと去年話題になった台湾映画「哭悲(こくひ)」も
ひどかったが、あれは残虐さに意味があったし、
(人間の凶暴性が暴走するウィルスのお話)
映画の出来もよかった。
テリファー2は風刺が感じられず、
意味もなくただ殺して人体破壊を続けるだけ。
この手の映画をジョークとして観る人だけならいいけど、
そうじゃない人もいるんじゃないかと思ったら
なんか怖くなってきた。


阿鼻叫喚地獄絵図の世界から家に帰ると
豚児が「スマーフ」を観ていて、
なんかホッとしてしまった。
現実世界はこんなにも平和だ、
と思わせるという意味が、
あんな映画にもあったのかもしれない。

 

テリファー

 

スマーフ


 

| 映画 |
本気でお薦め!

先日紹介したまつむらしんご監督の映画

『あつい胸さわぎ』

昨日観てきました。

いまちょっとバタバタしているので、

取り急ぎの簡単な感想になるけど、

いや、めちゃくちゃよかった!

想像の上を行っており、ボロ泣き&最後は大笑い。

このラスト、僕だけでなく劇場全体が笑いに包まれていたけど、

まさかガンの映画が笑いで終わるなんて!

 

いや、ガンの映画じゃないですね。

ガンはあくまで人と人間関係を描くための

きっかけという感じ。あるいはモチーフ。

なのでいい意味で重い映画ではありません。

もちろんガンを正面から扱ってはいるけど、

治るか、ではなく、どう治すか、が焦点。

男性と付き合ったこともなく、

触れられたこともない胸をどうするか、

娘と母親、それぞれの葛藤をあぶりだしつつ、

他の話も同時進行するという内容。

それぞれ欠点を抱える人ばかり出てくるけど、

それぞれが愛すべき人になってくる。

1時間半でよくこれだけ描ききったなあ。

 

ター坊というちょっと”温かい”人が出てくるんですが、

むしろ彼の映画かっていうぐらいすごい存在感です。

鑑賞直後、まつむら監督に対する僕の第一声が

「彼は誰!?」でした。

CHARAと浅野忠信の息子さんですって。

天才的。

『ギルバート・グレイプ』のディカプリオを

映画館で見た時の衝撃に似ていました。

(よもやその後ディカプリオが

こんなスターになるとは想像もしませんでしたが)

 

もちろん主人公の千夏役の吉田美月喜さんも素晴らしかった!

何か覚悟を決めたときの表情の凛とした美しさ。

母親役の常盤貴子さん、

その友人役の前田敦子さんもみんなとてもリアル。

あともうひとつ付け加えるなら、

ロケ地がたまたま僕の出身地である和歌山県でして、

もっとも僕の郷里の白浜からは

だいぶ離れた雑賀崎というころなんですが、

ここ、和歌山のアマルフィって呼ばれているんですよね。

全編に流れるこの街の景色が作品と見事に調和している。

(ただ映画の中では地名には触れられず、

架空の街になっています。

だから関西弁と標準語が混在している・笑)

 

乳ガンという厳しい現実に襲われる話ですが、

闘病ものでは全然なく、

心が温かくなる元気の出る映画で、

雑賀崎もその一役を担っている気がします。

一緒に観にいった友人も大絶賛。

こやつもオッサンですが、

見る人を選ばない、誰もがほっこりする映画です。

 

で、いま検索してびっくりしたんですが、

比較的信頼度の高い映画サイト、

「フィルマークス」の

初日満足度ランキングで

「あつい胸さわぎ」がなんと1位!

わかります、わかります。でも感激!

 

 

 

公開期間はそう長くないかもなので、

ぜひお早めに!

で、よかったら感想ください。

そしたら、僕は喜びます(笑)。

伝えていいならもちろん

まつむら監督にも直接伝えます。

 

全国各地でご覧いただけますのでぜひ!

「あつい胸さわぎ」全国上映館リスト

 

結局「簡単に」は終わらず、長く書いちゃいました。

| 映画 |
女子大生が乳がんになるけど、くすっと笑えて温かくなる映画

世界の旅を終えて帰国し、

旅行作家としての活動を東京で始めた時に

隣の部屋に住んでいたのが

映画監督のまつむらしんごくんだ。

僕が先にいて、そのあとに彼が来たのだが、

彼は不動産屋から

「隣はこんな人ですよ」

と僕の素性を聞いたそう。

という話をだいぶあとになって、まつむらくんから聞いた。

そういえば彼は挨拶にお菓子を持ってきたときから

何か含みのある目をしていたんだよなあ。

しかし、個人情報もクソもないですね。

いい時代でした。

思えば20年近く前のことです。ひゃあ。

 

いまではお互い奇跡的に家庭を持ち、

そのアパートを出たが、

阿佐ヶ谷を離れる気はどちらもなく、

相変わらず近所に住んでいる。

 

ま、それはいいのだけど、

そのまつむらくんの新作『あつい胸さわぎ』

本日から上映されます!

若くして乳がんになった女子大生(吉田美月喜)と、

そのお母さん(常盤貴子)のお話。

と聞けば重そうだけど、さにあらず。

揺れる心情を繊細に描きつつも

全体的なテイストはコメディだそう。

いや、実に難しいことをやっています。

 

もともと演劇作品で、

まつむら監督自身がその芝居を見て打たれ、

映画化にこぎつけたそうな。

そうしてできあがった映画はきわめて高評価で、

昨秋の東京国際映画祭にも招待作品として選ばれ、

上映された、という話は以前ここに書いたとおり。

キャストはほかに前田敦子、奥平大兼、三浦誠己ら。

 

北は北海道から南は鹿児島まで全国で上映されるので、

よかったら各地にお住まいのみなさん

こちらで調べてみてください。

「あつい胸さわぎ」全国上映館リスト

 

お願いついでに謹んで申し上げますと、

映画というのは封切りから3日間、

つまり金土日の集客が勝負です。

それを見て劇場側が今後の上映日程を判断するわけです。

ということで、よかったらこの金土日で観てください!(笑)

 

という僕はどうしても月末は〆切が重なって

余裕がないんですが……(苦笑)

いや、なんとか頑張って原稿仕上げます!

 

| 映画 |
「犬王」と「シン・ウルトラマン」

2016年の映画「シン・ゴジラ」が僕のツボにはまったので、
先月封切られた「シン・ウルトラマン」を観にいった。
考えてみると映画館に行くのは久しぶりだ。
コロナ禍前はほぼ毎月何かしら観にいっていたのに。


新宿に出るついでに湯浅政明監督の「犬王」も観ることにした。
同監督の「マインドゲーム」が好きすぎて、
しばらく湯浅作品を追っかけたものだが、
「デビルマン」以降ちょっと離れてしまっていた。
今回の「犬王」はマインドゲームに似た狂気を感じられそうだ。


結果、どちらも狂っていて面白かったが、
(特に「犬王」は室町時代がロックの狂騒に奏でられ、
町田康の「パンク侍」みたいで快作!
観る人を選ぶとは思うけど)
同時にひとつの教訓を得た。
映画館へは体調万全でのぞむべし、だ。
先日このブログにも書いたが
僕は今も超朝型ライフを継続してやっている。
寝る前に水をたくさん飲んで尿意で起きるのだ。
これを始めてからというもの
早起きがまったく苦痛ではなくなった。
4時5時は当たり前、
(6時だと寝坊した!となる)
時には2時3時に起きる。
集中力が高まるし、何より1日が長くなった。
これは本当に大きい。
めちゃくちゃいい。
超絶お薦めである。


ただ、僕の場合、朝が早くなったから
夜も早くなったかというとそうでもなく、
寝るのはだいたい0時過ぎだ。
でも“尿意起床法”をやっているから
どれだけ寝足りなかろうが目覚めてしまう。
結果、慢性的な睡眠不足になってしまう。
「犬王」は集中して観られたが、
「シン・ウルトラマン」のほうは
何度か意識が飛んでしまい、
気が付けば長澤まさみが
とんでもないことになっていたり、
(ネタバレになるので詳細は書かないが、
コントのような強烈なシーンがある)
科学特捜隊(?)のみなさんが
わけのわからぬことで苦悩したりしていた。


ということでみなさん、
「シン・ウルトラマン」を観にいくときは
尿意起床法はやめましょう。

 

「犬王」のPR動画。

狂気がムンムン

| 映画 |
快挙! あの『マル秘色情めす市場』が!

昨日寝ようと思ったらすごいニュースが入ってきた。

なんとあの大傑作映画、

『マル秘色情めす市場』がベネチア映画祭に選出!

 

え、なんで? どういうこと? 

と眠気も覚め、読んでみると、

同映画祭のクラシック部門に選ばれたとのこと。

そんな部門があったのか。

招待作品のような扱いだろうか。

それとも何作品か選ばれ、

そのなかで大賞を決めたりするのだろうか。

 

しかし、今から半世紀近く前の

このポルノ映画がよく選ばれたなあ。

というより、海外の映画関係者がよく知っていたな。

作品にそれだけ力があるということか。

何年何十年たっても、そのパワーは種火のように消えず、

口づてで静かに広がるんだろうな。

 

しかし、ジェンダーフリーなこの世にあって、

もうタイトルからしてアウトなのにやっぱりよく選ばれたよ。

てか、今のそういった世に一石投じよう、

といった意味合いもあったりするのだろうか。

ともあれ、上映会場で観客がどんな反応を見せるか

覗きにいきたいものだ。

 

だいぶ前に「ラピュタ阿佐ヶ谷」で上映されたとき、

「とにかく大傑作だから!」と僕は友人たちを誘い、

団体で見にいったことがあったのだが、

女性陣からは総スカンだった(笑)。

 

| 映画 |
「いつも何度でも」の秘密

『千と千尋の神隠し』のエンディングにかかる歌、

「いつも何度でも」が大好きだ。

最初に聴いた時から「何だこの詞は?」と全身が痺れ、

気がつけば涙がツー。

正直に言えば、初見では映画そのものより

この歌のほうにはっきりと心を奪われた。

ただ、違和感もすごくあった。

めちゃくちゃいい歌だけど……映画に合ってなくない?と。

ただ、その違和感もテレビの再放送で

繰り返し観ているうちにいつしか消えてなくなり、

『千と千尋〜』の世界にぴったり重なるようになったんだけど。

 

今朝、この歌にまつわる記事がヤフーに出ていて、

すかさず読んでみると、

なんだそういうことか〜と腑に落ちた。

もともと違う映画をイメージしてつくった歌らしいのだ。

その映画は企画段階でお蔵入りになったそうだが、

大震災のあとの東京に来た絵描きの少女が、

崩れなかった銭湯とその煙突を舞台に繰り広げる物語、とのこと。

 

それはそれで観てみたい気もするけれど、

ジブリでこの案が没になった理由もなんとなくわかる。

そんなことを考えていると、ふいに「いつも何度でも」のなかでも

特に僕の好きなフレーズが頭に浮かび、また体が痺れたのだった。

 

粉々に砕かれた、鏡の上にも

新しい景色が映される

 

最初にこのフレーズを聴いた時は、

『千と千尋〜』からこの詞が出てくるなんて

どんな狂気だ、どんな天才だ、と思ったんだよな(笑)。

 

あらためて「いつも何度でも」の歌詞を検索して

読んでいたら、また涙が出た(笑)。

 

上記のヤフーの記事もおもしろいですよ→こちら

 

 

| 映画 |
青い顔

毎朝、前日の行動を
スケジュール帳に書き込んでいる。
日記というよりは備忘録で、
仕事で困らないようにという目的なので、
感情も込めず、機械的にサラサラ書くのだが、
今朝は書いた瞬間、思わずペンがとまった。
文章から滲み出る詩情に打たれたのだ。

 

13:00 ゾンビ見ながらメシ

そう、ジョージ・A・ロメロの名作だ。
NHKのBSで真昼間からやっていた。
昼飯を食べながら導入部だけ見ようか、
ぐらいの気持ちで見始めたのだが、
結局、昼飯を食べ終えると、

録画ボタンを押し、
夜もゾンビを見ながら鶏肉を包丁でぶった切り、
ゾンビたちが人肉を食っているのを見ながら、
僕も鶏肉小松菜炒めを食った。超ウマかった。

しかし、30年前に見たときは衝撃を受けたけど、
こんなにチープだったのか、と今回は別の衝撃を受けた。
いや、それでも色あせない魅力がやっぱりあるし、
人間ドラマとしておもしろいんですけどね。
それと、この手作り感あふれる映像を怖がるぐらいが、
人としてちょうどよかったんじゃないかなあ、なんて
ガラケーおやじは思ってしまいます。
 

| 映画 |
★新刊が発売されました
『自転車お宝ラーメン紀行』 レトロな路地や古い喫茶店など都内の“お宝”を探索しつつ、昔ながらのラーメンを目指す大冒険(?)紀行です。産業編集センター刊。1100円+税。感想お待ちしています!→yusukeishida@hotmail.com
★dancyuウェブに連載中
食の雑誌「dancyu」のウェブサイトに「世界の〇〇〜記憶に残る異国の一皿〜」というアホな記事を書いています。→https://dancyu.jp/series/ikokunohitosara/index.html
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
LINKS
PROFILE
RECOMMEND
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
7年走って見つけた世界一の宝とは?
RECOMMEND
RECOMMEND
洗面器でヤギごはん (幻冬舎文庫)
洗面器でヤギごはん (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
食べ物ストーリーでつづる世界一周紀行
RECOMMEND
道の先まで行ってやれ! 自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (幻冬舎文庫)
道の先まで行ってやれ! 自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
ニッポン飲み食いハチャメチャ自転車紀行。文庫改訂版
RECOMMEND
地図を破って行ってやれ!  自転車で、食って笑って、涙する旅
地図を破って行ってやれ! 自転車で、食って笑って、涙する旅 (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
日本紀行第2弾。東京、茨城、滋賀、屋久島、種子島、土佐、北海道、熊本、三陸…
RECOMMEND
大事なことは自転車が教えてくれた: 旅、冒険、出会い、そしてハプニング!
大事なことは自転車が教えてくれた: 旅、冒険、出会い、そしてハプニング! (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
旅のハプニングやノウハウをつづった実用エッセイ
RECOMMEND
台湾自転車気儘旅 世界一屋台メシのうまい国へ
台湾自転車気儘旅 世界一屋台メシのうまい国へ (JUGEMレビュー »)
石田ゆうすけ
台湾一の感動メシを探せ! 初のフォトエッセイ
RECOMMEND
道の先まで行ってやれ!―自転車で、飲んで笑って、涙する旅
道の先まで行ってやれ!―自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
ニッポン飲み食いハチャメチャ自転車紀行
RECOMMEND
「勝ち論」 本気で仕事する24人からのメッセージ
「勝ち論」 本気で仕事する24人からのメッセージ (JUGEMレビュー »)

「本気で仕事する24人」にぼくが入っています(笑)。デカイこと言っています。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
SPONSORED LINKS