2006.01.19 Thursday
使い捨て湯たんぽ
4日前の読売新聞のコラムに湯たんぽのことが書かれていた。よく売れているらしい。異常寒波や灯油高騰などの要因が考えられるが、「安眠できる」などの健康面でも見直されているからではないか――とある。
読んだあと、ぼくの頭は湯たんぽで占められた。原稿を書いているときもメシを食べているときも頭の上には漫画の吹きだしのような雲が浮かび、その中で湯たんぽがふわふわ揺れている。
なぜこの方法を思いつかなかったのだろう、と自分の愚かさを恥じた。
家は暖房をつけない上に電気毛布の類もないので、夜、床にもぐると身が引き締まるほど布団が冷たい。しかし就寝の少し前に湯たんぽを布団に入れておけば、そのわびしさも簡単に解決するではないか。
湯たんぽ――ああ!言葉の音からしてなんて魅惑的なアイテム!
ついに我慢が限界に達し、部屋を飛び出して西友に向かった。
ところがどこを探しても湯たんぽの姿がない。店員に聞いてみると、「品切れ状態がずっと続いて、いつ入ってくるかわかんないんですよ」と非常に申し訳なさそうな顔で言った。うわ、本当に売れてるんだ。
それから数日は寒さがゆるんだので、ぼくの「湯たんぽ熱」も下がった。しかし昨日から再び寒さが戻ってきた。手に入らないだけに湯たんぽが余計に気になる。身をよじって悶々としていると、いいことを思いついた。ペットボトルで代用すればいいのだ。
2リットルの水の角型ペットボトルに恐る恐る熱湯を注いでみる。と、突然、角型の透明な容器は「ボコン」とふくらみ、丸いボトルに変形した。不安になったが、しかし万が一寝ているときにボトルが割れて水浸しになっても大丈夫だ。ぼくには寝袋がある。
それを布団の腰のあたりに仕込み、20分ほどしてから布団に潜った。うほっ、気持ちいい〜! 電気なんかと違って温もりが柔らかい。熱だけではなく「愛情」が布団にこもったかのようだ。
あまりの気持ちよさに、その日の「寝床読書」は2ページしか進まず、知らない間に熟睡してしまった。翌朝、驚いたことに、ペットボトルはまだホカホカ温かかった。4時間しか寝ていないということもあるだろうけど……。
その水を洗面器にあけ、顔を洗う。うむ、充実した1日の始まりだ!
ということで、すっかりハマってしまった。
今日も寝床に入る瞬間のことを考えるとそれだけでワクワクする。なんという小市民だろう。
しかしこの「ペットボトル湯たんぽ」、あと何回持つかな?
読んだあと、ぼくの頭は湯たんぽで占められた。原稿を書いているときもメシを食べているときも頭の上には漫画の吹きだしのような雲が浮かび、その中で湯たんぽがふわふわ揺れている。
なぜこの方法を思いつかなかったのだろう、と自分の愚かさを恥じた。
家は暖房をつけない上に電気毛布の類もないので、夜、床にもぐると身が引き締まるほど布団が冷たい。しかし就寝の少し前に湯たんぽを布団に入れておけば、そのわびしさも簡単に解決するではないか。
湯たんぽ――ああ!言葉の音からしてなんて魅惑的なアイテム!
ついに我慢が限界に達し、部屋を飛び出して西友に向かった。
ところがどこを探しても湯たんぽの姿がない。店員に聞いてみると、「品切れ状態がずっと続いて、いつ入ってくるかわかんないんですよ」と非常に申し訳なさそうな顔で言った。うわ、本当に売れてるんだ。
それから数日は寒さがゆるんだので、ぼくの「湯たんぽ熱」も下がった。しかし昨日から再び寒さが戻ってきた。手に入らないだけに湯たんぽが余計に気になる。身をよじって悶々としていると、いいことを思いついた。ペットボトルで代用すればいいのだ。
2リットルの水の角型ペットボトルに恐る恐る熱湯を注いでみる。と、突然、角型の透明な容器は「ボコン」とふくらみ、丸いボトルに変形した。不安になったが、しかし万が一寝ているときにボトルが割れて水浸しになっても大丈夫だ。ぼくには寝袋がある。
それを布団の腰のあたりに仕込み、20分ほどしてから布団に潜った。うほっ、気持ちいい〜! 電気なんかと違って温もりが柔らかい。熱だけではなく「愛情」が布団にこもったかのようだ。
あまりの気持ちよさに、その日の「寝床読書」は2ページしか進まず、知らない間に熟睡してしまった。翌朝、驚いたことに、ペットボトルはまだホカホカ温かかった。4時間しか寝ていないということもあるだろうけど……。
その水を洗面器にあけ、顔を洗う。うむ、充実した1日の始まりだ!
ということで、すっかりハマってしまった。
今日も寝床に入る瞬間のことを考えるとそれだけでワクワクする。なんという小市民だろう。
しかしこの「ペットボトル湯たんぽ」、あと何回持つかな?