石田ゆうすけのエッセイ蔵

旅作家&エッセイスト、石田ゆうすけのブログです。


※親サイトの『7年半ぶっ通しチャリ世界一周』はパソコンを新しくしたためにストップしたままです。
近況報告や各種案内は、もうしばらく、当ブログにて行います。
海から見る南紀白浜

地元の飲み会で二日酔いになった翌朝、

鉄拳オヤジ(父)から「クルーズに行こう」と声をかけられた。

オヤジは囲碁クラブでイセエビ漁師のYさんと仲良くなり、

数年前から一緒に漁に出ている。

で、これからYさんと共に密漁監視に出かけるらしい。

二日酔いの朝から船かぁ、とひるんだのだが、

「海から三段壁が観れるぞ」

という魅力的な言葉には抗えなかった。

 

で、出発。

まずは海から望む白良浜。

人がまるでアリのようだ。

望遠で撮ると、

ふははは! 人がまるでゴミのようだ!(by ムスカ)

 

さらに千畳敷。

 

そしてクライマックス、三段壁。

自殺の名所です。

去年はクリフダイビングの世界大会も行われました。

岩の上に人がいるのがわかるでしょうか?

 

崖の奥には洞窟もあります。

 

いや、白浜ってこんなところだったんですね。

 

ところで、ちょっと驚いたことがあった。

 

漁師であるYさんは船の操縦を父に任せているのだ。

 

Yさんは会社員を退職し、Uターンしてから

漁師になられたらしい。

対して鉄拳オヤジ(父)は40年間ずっとブリの養殖をやっていた。

稚魚をとるために外海にも出ていたのだ。

Yさんによると船の操縦は

「あんたのお父さんのほうがうまいんや」

とのことらしい。

 

たしかに、かなり波が高かったのだが、

鉄拳オヤジはなんなく波を切って船を操っていた。

年をとってもカッコいいと思える父でよかった、

などとちょっと思った。

 

 

それと、僕の故郷は本当にきれいなところだなと。

よかったよかった。ありがとう。

 

| 生活 |
秘境釣行記

昨日も書いたように、

今月のビーパルの特集は

「日本の新しい秘境」だ。

 

僕は広島の奥地を担当したのだが、

その記事の書き出しは、

「この企画は無理があるでしょ、ハハ」

と苦笑するシーンである。

だってそりゃそうでしょ。

この情報化社会、いたるところに手垢がついてしまって、

日本はおろか、世界を見渡しても

本当の秘境なんてもうどこにもないのではないか。

 

だから8人の担当ライター全員が

僕と同じような書き出しで始めるんじゃないか、

と心配していたのだが、まったくの杞憂だった(笑)。

 

それはともかく、秘境について考えていたら、

くしくも『秘境釣行記』という本がとある筋からまわってきた。

その方はかなりの読書家なのだが、

この本は「人生ベスト10」の1冊なのだという。

昔読んで、どうにも忘れがたく、

たまたまアマゾンで探したら古本で見つけたので

購入したのだとか。

 

読んでみたら、僕もやはり夢中になって一気に読了した。

いやはやとてつもない世界である。

舞台は北海道の日高地方。時代は昭和のはじめころ。

著者である今野保氏は、

炭焼き業を営む家に生まれた。

家業がそれだから、

当然一家は人の少ない山奥に住む。

そこからさらに奥地へと分け入り、

ヤマメやイワナを1日100匹とか釣りまくるのである。

ヤマメだと尺(30僉砲鷲當漫

ときには40僂魃曚溝臺まで、

イワナだと70僖ーバーなんかも。

すぐに魚籠(びく)が重くなるので、

河原に魚を埋めながら釣り上がっていき、

帰るころにそれらを拾って帰るのだとか。なんだそれ?

 

さらに戦争で軍に徴集された今野氏は

派遣先の激戦地、

ノモンハン(中国とモンゴルの国境付近)で

上官の目を盗み、川で釣りをするのだが、

目測2m30cmほどのイトウがかかる。

川に引き込まれそうになったので、

馬の鞍に糸をくくりつけて馬を走らせ、

釣り上げようとするのだが、

結局、糸が切れたか針が外れたかでバレてしまう。

本を読みながら

さすがにこれはホラではないかと思ったのだが、

さらに記述は続いていて、

別の日、上官たちともう一度その川に行き、

ある方法で捕獲を試みたら、

なんと2m前後のイトウが6匹もとれたそうだ。

メジャーで計ったら、一番大きいイトウは

体長2m80僂如胴回りが2mだったとか。

そういう話が、静かな筆致で、

小説のように語られているのである。

おもしろくないわけがない。

(専門用語が多いので釣りをしない人には勧めないが)

 

この本の「あとがき」がまた素敵だった。

 

今はもうどこにも見られない、

川というものの本来の姿を知るためのよすがとして、

あるいは、自然が自然であった時代の

奥地の様相を伝える頼りとして、

本書が多くの人の目に触れ、

心に染むものがあれば幸いである。

 

人生、同じ80年という時間を生きるなら、

いつがいいか、と詮無いことをちょっと考えてしまった。

いたるところ”秘境”だらけだった時代は、

やっぱりどうしても輝いて見えてしまう。

 

| 生活 |
そばと浴衣

東京の古刹、深大寺で「夕涼みの会」なるものがあった。

友人がやっているアイリッシュバンド「モンロー」

賑やかしをやるというので、ちょいとのぞきに。

 

まずは蕎麦。深大寺といえば、これらしい。

東京では珍しく田舎蕎麦があった。しかも十割。

「玉乃屋」というお店。

太麺でもっちり硬め、甘みも香りもたっぷり。

実に僕好みで、いや、うまかった。

 

で、境内へ。

浴衣でアイリッシュ、かやぶき屋根の山門、

のぼりには最近国宝に認定された仏像の宣伝、と

なんかシュールで、ほんわかと愉快な気持に。

縁日というのは、非日常だから気分が上がるんだな、

と再認識。

演奏を聴く浴衣姿の子供たちの可愛いこと可愛いこと。

 

その後、我がホーム阿佐ヶ谷に戻って、

七夕祭りを散策し、酒屋で角打ち。

パスタパエリアなるものを食す。

それにしても、とんでもない人ごみ。

この祭りになぜこんなに人が来るのか、

こっちはよくわかりません(笑)。

 

| 生活 |
チャリダ―道とゾンビ映画の巨匠

昨日は新潟市でイベントでした。

お集りいただいた皆様、ありがとうございました。

雨だったので、昼からのサイクリングは中止。

世界一周したボイジャー号を送っていたのですが、

何もしないままそのまま持って帰りました。

しかも送付時にキャリアが折れ…。がっくり。

 

10年前、僕の講演を聞いてくれた

当時は小学生、現在は大学生のSくんも

わざわざ東京から駆けつけてくれました。

順調にチャリダー道を歩んでいるようで、

僕がさかんに勧めているオロロンラインを去年走って、

やっぱり感動したそうです。

世界一周も視野に入れているそうで、

いや、お父さんお母さん、

僕は本でも講演でも一言も勧めてませんから(笑)。

 

ところで、話はぜんぜん違うんだけど、

ゾンビ映画界の巨匠、

ジョージ・A・ロメロが亡くなったという報に触れ、

呆然としてしまいました。

ガキのころ、深夜に『ゾンビ』を見て震えあがって以来、

ロメロ作品がかかれば、

せっせと映画館に足を運んだものです。

ロメロだけにゾンビになって復活しないかな。

なんてことを、

まあ多くの人が書いているんでしょう。今日は。

合掌。

 

 

| 生活 |
灼熱の講演

昨日は都内の某中学校で講演しました。

このクソ暑いなか、まさかね、

と思っていたら、

会場はまさかのクーラーなし体育館。

いい汗流しました。

てか、まあ僕はいいけど、

話を聞かされる子供たちがかわいそう…。

 

しかし、驚きましたね。

公立の中学校なのに

子供たちはみんな私服。

いや、いいと思うな。

この暑さの中ではとくに。

 

講演後、僕の本を読んで楽しみにしていた、

という生徒が最後にこう挨拶してくれました。

「本で読んだ印象より、

明るい人でよかったです!」

 

え? 本の中の俺って、暗い?

 

というわけで、明日は新潟市で

トーク&サイクリングです。

めいっぱい明るくやらせていただきます!

 

詳細&お申込みはこの3つ下のブログをどうぞ。

 

| 生活 |
胸が熱くなる邂逅

今朝新聞を開いた瞬間、うおおっと声が出た。

そこにとてつもなく懐かしい人がいたからだ。

こうして会うのは一体いつ以来だろう?

もしかしたら前回会ってから

30年以上はたっているかもしれない。

自分がまだ青二才だったころの

(今も青二才だが)

日々が走馬灯のように脳裏を流れた。

 

ほんと久しぶりだね。

元気だったかい?

ていうか、生きていたんだね。

 

 

日ペンの美子ちゃん。

でもなんかちょっと様子が変わったね。

そんなに目が大きくなかったでしょ。

と思ったら、6代目らしい。ふーむ。

 

ところで、今、ハッと思ったけど、

正式にはなんて読むんだ?

僕は勝手に「日ペンのミコちゃん」と呼んでいたけど、

もしかして「日ペンのヨシコちゃん」?

 

| 生活 |
痺れる感謝祭

昨晩は「dancyu大感謝祭」があった。

ちなみに『dancyu』は食の雑誌です。今更だけど。

主催は江部元編集長とデザイン会社ナカムラグラフの社長様。

先月出た号で、江部さんが編集長を勇退することになり、

本来ならその慰労会となるべきなのに、

主催の2人のほうが、なんと自腹で、

関係者総勢100名以上を招いて感謝祭をする、

という聞いたこともないような

とんでもない太っ腹パーティーでした。

 

 

 

感謝祭という名で、僕らが招かれた形になったわけだけど、

いやいや、ほんとは僕らが

江部さんに感謝しなければならないのです。

なのに……なんて人だろう。

江部さん、お疲れ様でした。

いろいろ本当にお世話になりました。

また何かの形で恩返しできればと思います。

 

ところで、会場は小伝馬町にある

「Bettara Stand」というイベントスペースでした。

提灯や屋台があしらわれていて、

祭りが行われている神社の境内のような

ハレの雰囲気があふれています。

昨日の会場にはぴったり。

元副編集長のKさんがここを知っていたようで、

ここがいかに素晴らしいかを懇々と僕に語ってくれました。

そこへ顔を見せたのがチャリダ―の熊谷くん。

「はあ!?」と素っ頓狂な声をあげる僕。

「なんでお前ここにおるんや?」

淡路島で会って仲良くなり、

家で鍋を囲んだり、飲んだりする仲です。

去年、彼がチャリ世界旅行から帰ってきたので、

お疲れさん会を開いたのですが、

会うのはそれ以来で、1年ぶりぐらい。

その熊谷がなんでここに?

「ぼく、今ここの責任者なんです」

はあ〜?

 

ということで、いやはや驚きました。

旅人はやっぱり、変な縁を持っていますね。

 

 

| 生活 |
祝・誕生

上野動物園で5年ぶりにパンダが誕生したらしい。

赤ちゃんパンダの可愛さについては

このブログでも何度も語ってきたけど、

テレビで観るよりもずっとホント信じられないくらい可愛いので、

このまま元気に育って、

多くの方が見られますように。

 

と素直に思う一方で、なんじゃこの騒ぎっぷりは?

と冷ややかな目で見てしまう自分もいる。

白浜町民や和歌山県民は少なからずそう感じるのでは。

我が郷里、白浜のアドベンチャーワールドのパンダは

1、2年に1度のペースで出産し、

1頭もしくは双子のパンダがほぼ毎回順調に育っているのだ。

これまで育てた赤ちゃんパンダは実に15頭である。

なのに大騒ぎされることもなく、

その結果、関西圏以外の人にはあまり知られていない。

何年か前に白浜で何例目かの

赤ちゃんパンダが生まれたとき、

講演先の学校でその旨を話し、

「赤ちゃんパンダが生まれたこと知っている人?」

と挙手してもらうと、

子供たちはおろか先生からもほとんど手が上がらなかった。

関東圏の学校で何度か同じことをやったが、どこでも同じだった。

 

ひるがえって、いま、同じように

「上野のパンダが赤ちゃんを産んだこと知っている人?」

と学校で聞いたら、手を上げない子がいるだろうか?

NHKのニュース9を見ていたら

赤ちゃんパンダ関連のニュースを15分ほどの長尺でやっていて、

「世界が注目!」とまで言っていた。

 

ま、いいんだけどね。

白浜のほうはマイナーなぶん、

かぶりつきで何十分も赤ちゃんパンダを見られるという

至福のメリットがあるわけだし

(さすがに休日は難しいだろうけど)。

 

ともあれ、上野の赤ちゃんパンダ、

僕も見たいので、今後の成長に期待している。

白浜アドベンチャーワールドで

赤ちゃんパンダを何頭も育てた飼育員が

「生後1週間が勝負」と言っていた。

となるとXデーは来週の月曜日だ。

どうかそれまで事故もなく元気で育ちますように。

 

こちらは一昨年白浜で生まれた赤ちゃんパンダ。

名前は忘れた。なぜならたくさん生まれているから(笑)。

 

| 生活 |
家火鍋と信州

大学の後輩たちが我が家に集まり、

6人で火鍋パーティー。

このメンツで集まると、

だいたい僕が吊るし上げられる。

曰く、石田は唐辛子を

後輩たちの目のまわりに

すりつけただの、

合宿で後輩たちをけしかけて

○○しただの、

学園祭で後輩たちにブチ切れただの、

エトセトラ。

うそやろ? うそやろ?

と耳を疑うばかりだ。

初めて聞く話ばかりだった。

 

”総理のご意向”文書のように、都合の悪いことは

すべてなかったことにするヤツは最低だと思うが、

僕の場合、なかったことをあったことにはできないので。

 

ということで、今から取材で信州にいってきます!

 

| 生活 |
見える光景

折に触れ、言葉の凄み妙味に痺れたり唸ったりする。

開高健がたしかこんなことを言っている。

すぐれた文章は、活字がメキメキと立ち上がり、

日が差したように輝き、

書かれてある内容の光景がそのまま見えたり、

あるいはまったく無関係のものが見えたりする、と。

 

先日、読売新聞の詩歌コラムに

こんな句が紹介されていた。

 

もう少し格好良く歩けよと夫は言う

必死に義足を進めいるわれに

 

鈴木直子さんという方の句だ。

一読して胸が熱くなった。

義足の妻に、夫は酷な言葉しかかけていない。

それなのに、この短い句からは

信頼と深い愛情に支えられた二人の関係が見えてくる。

句のあとに続く長谷川櫂氏の解説にも

まったく同じことが書かれていて、

やはりお主もそう思ったか、

とエラそうに微笑んだ総武線の車内。

 

| 生活 |
新潟でトーク&イベント/7月16日(土)
★第一部:9:30〜スライドショー&トーク。★第二部:新潟市巨木巡りサイクリング 要予約。詳細&お申込みは僕のブログの7月11日の記事をご覧ください。
『地図を破って行ってやれ!』文庫改訂版出ました。
2016年8月発売。幻冬舎刊。650円(+税)。アホな日本紀行です。単行本をすべて書き直しました。感想いただけると嬉しいです→ yusukejitensha@yahoo.co.jp
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