長野県のとある高原の村に稲刈りに行った。
アフリカを一緒に走ったメンバー「ドライペニーズ」のひとり、
タケシがその村に移住し、
半自給自足のような暮らしをしているのだ。
タケシの田んぼでの稲刈りはドライペニーズの4人、
ならびにその家族や仲間が一堂に会する恒例行事になっている。
今回もいい汗をかいた。
普段パソコン作業ばかりしているので、
土に触れ、泥だらけになりながら、
鎌で稲を刈り、ひもで結わえていると、
何か労働の喜びみたいなものを感じ、
「ああ、これだよなあ」などと思う。
ちなみに上の稲の量で4人家族の1年分以上あり、
僕らお手伝いさんにもおこぼれをいただけるのだ。
コメがいかに優秀な作物かわかる。
今回は2泊で行ったので、
稲刈りが終わると、周辺の温泉に行ったり、
山に(車で)のぼって絶景を楽しんだりした。
あと、近くの廃校のグランドで野球もやった。
手にグローブをはめるのも情けないかな20年以上ぶりで、
キャッチボールすらできなくなっているかと思ったけど、
意外とそれなりにやれたし、
野球って見るのもいいけど、
やっぱり自分でやるのが一番楽しいなあ、
などと思ったりした。
空気のうまい高原でさんざん遊びまわって
東京に帰ってきたのがついさっき。
で、パソコン画面をにらみながら仕事をしていたら、
遠くのほうから「プアーーーーーン」と長い警笛が。
僕の家は線路からだいぶ離れているからずいぶん大きな音だ。
耳をすませていると、しばらくして救急車の音が聞こえてきた。
ネットで調べると、やはり阿佐ヶ谷駅で人身事故があったらしい。
音だけだったが、一連の流れが手に取るようにわかって、
いやに生々しかった。
連休明けに絶望したのか、あるいは接触事故か。
ともあれ数時間前まで見ていた高原のまぶしい光を思い返し、
世界の違いにちょっと狼狽してしまった。