サラリーマンだったのは遠い昔だ。
会社を辞めて四半世紀ほどになる。
それでも会社の同期たちとは今でも仲がよく、
2年に一度の恒例となった同期旅行にも
ほぼ毎回参加している。
昨日は東京に異動してきた同期の歓迎会があった。
メンバー12人全員がスーツ姿で
(仕事帰りなので当たり前だが)
僕だけがガキみたいな格好だった。
はたから見れば完全に浮いている。
しかも僕が会社にいたのは3年ちょいという短期間。
それでも同期たちと飲むのは何かホッとするのだ。
同じ釜のメシを食らい、共に闘った仲間という思いが、
心のどこかにあるからだろうな。
みんなにはないかもしれないが(笑)。
製造部門の同期も来ていた。
僕は営業部門だったから、
彼らとはほぼ面識がない。
そのひとりと
「初めまして、だよね」
などと話し、
名刺交換などをしていると、
入社後すぐに大阪枚方の社員寮に入っていた、
という話を彼から聞いて驚いた。
「え? 俺もやで」
「そうなの?」
話を照合すると、
やはり時期は重なっている。
じゃあ寮のどこかで顔は合わしてたのかもね、
とお互い笑った。
「寮の歓迎会とかあったの覚えてる?」
「あった、あった。
あのとき、ジャングルファイヤーって歌いながら
わき毛とチン毛を燃やしたヤツがいて、
営業のやつらは違うなあってびっくりしたよ」
「……それ、俺や」
「……」
「……」
「久しぶり!」
「久しぶり!」
めでたく28年ぶりの再会となった。
アフリカのキリマンジャロ山に登ったとき、
途中で会った日本人と仲良くなり、
しゃべっているうちに話が符合しはじめ、
「あれ、もしかして……」
「えーっ!」
「えーっ!」
となり、11年前に弘前でお世話になった人だとわかった、
なんてことがあったが、
同じような愉快さ痛快さに昨日も見舞われ、
酒がますますうまくなったのだった。
ま、彼が覚えくれていたのも
ジャングルファイヤーのおかげなわけで、
あちこちに爪痕は残しておくものですね(は?)。