2017.12.31 Sunday
温泉のマナー
大晦日の今日、一年の垢を落とすために、
世界一泉質のいい(石田調べ)
南紀白浜のとある共同浴場に行くと、
客は意外と少なくて、
地元の爺さんらしき爺さん3人と
観光客風情の若者がひとりだけだった。
午後2時と時間が早かったからだろう。
湯船に向かって、蛇口から冷たい水が
ちょろちょろと流れ続けている。
源泉かけ流しの湯なのに、なんてもったいない。
たしかに少々熱い湯ではあるが、
もうじゅうぶん冷めているではないか。
温泉を愛する地元の爺さん連中は
観光客の若者に何か言いたそうな顔をしている。
水をとめたいのだろう。
でも若者に遠慮しているようだ。
大丈夫だよ、お爺さんたち、僕に任せて。
若者がなんか言ってきたら、
「十分ぬるくなったやろ。ここ源泉やから」
と僕が言って跳ね返してあげる、
などと思いながら、出ている水をとめた。
さらにその水の蛇口の前に陣取り、
守衛のごとく目を光らせながら
再び水を出させまいと長時間湯につかっていた。
そのあいだも熱い源泉はじょぼじょぼ流れこんでいるので
湯船のお湯もしだいに適温になってきた。
もうそろそろお役目もごめんかな。
僕もだいぶのぼせてきたし。
と湯船から上がると、
待ってましたとばかり
地元の爺さんが水の蛇口にとりつき、
栓をひねって水をドバドバ出し始めたのだった。
ということで、よいお年を!