明日の大阪トークは満員御礼となりました。
お申込みくださった皆様ありがとうございます。
考えてみると大阪でやるのは久しぶりなんだよなあ。
楽しみ楽しみ。
ところで今朝、在米の方からメールを頂いた。
僕の本や連載を読んでくださっているという。
本はともかく雑誌も向こうで購入できるのか、
それとも電子雑誌かなんかなのか、はてさて。
いずれにしてもありがとうございます。
その方からの連絡で僕は初めて知ったのだけど、
去年の7月、アメリカ人の20代のカップルが仕事を辞め、
自転車世界一周の旅に出たのだとか。
南アフリカから旅を始め、
ヨーロッパ南部を走ってトルコへ、
そしてカザフスタンに飛び、
中央アジアを走っていたところ、
タジキスタンで殺されたというのである。
先月下旬のことだという。
不明な点が多いが、
どうやらイスラム過激派による犯行で、
金品狙いではなく、外国人殺害が目的だった模様。
このとき、道中で出会ったとおぼしき
欧州のサイクリストたちと7人で走っていたようで、
そこへ犯人たちの車が突っ込み、さらにナイフで襲われ、
4人が死亡、3人が負傷したとのことだ。
これに詳しいです→これ。
サイクリストがテロの標的になったということに
胸がつまるようなショックを覚えた。
もっとも自転車に乗っているからといって
安全が保障されるのなら、
一般市民を狙った無差別テロなんかは起こりえないのだけど。
僕が旅していた20年前と今ではどっちが旅しやすいか、
という質問はよくいただくが、
やはり当時のほうがマシだったような気がする。
少なくとも今回のような殺害目的の事件は
当時は聞いたことがなかった。
強盗対策なら、僕がやったように
サイクリングバッグを現地の買い物バッグで代用するなどして、
小汚い格好をすれば、もしかしたら一定の効果はあるかもしれない。
でもテロに遭うか遭わないかは、もう運だ。
できることといえば、その場所に行かないことだけど、
でも本当の意味での根本的な対策は、
互いを知って偏見をなくし、
互いを理解し合うことだろうな、
と頭の一部がお花畑の僕なんかは思う。
でも人は50万年かかってもまだできないらしい。
てか、かえって闇が深くなっている、
とは多くの人の感じているところじゃないだろうか。
あんなモンスターが大国のトップに選ばれ、
排他的な政策が次々に施行されているあたりが
肥大する闇の象徴、というふうに見えてしまう。
もっとも、人として”退行”しているな、と思う部分は
わが国でも目に見えて増えている気はするけれど。
異国を旅してたくさんの人と関われば、
異文化に対する偏見はおのずとなくなるものだ。
でもこれも人によるのだろうか?
ともあれ、今回の事件に遭われたサイクリスト4人の
ご冥福を心よりお祈りします。
偏見に満ちた視野を広げ、世界を広げる旅という手段が、
こうして葬られるのは本当に悲しいことです。
上に挙げたアメリカ人サイクリストのカップルが
事件前まで書いていたブログが残っています→こちら。