76年ぶりにセンバツ甲子園出場が出ると聞いた時は
喜びが爆発したのだけど、
一回戦の相手に決まったのは、
現在13連勝中で、秋季大会で優勝した石川の名門校、星稜。
なんてくじ運の悪い。
でも甲子園に出ただけでも歴史をつくったのだ。
精一杯、悔いのないプレーをしてほしいーー。
こういうモードになっていた自分を恥じたい。
試合する前から負けを意識していたんだから。
結果は2−4だったけど、
試合内容はまったくひけをとらなかった。
ほんと紙一重で、勝つチャンスは大いにあった。
田高(でんこう)のエース、寺西くんの言葉がすべてだ。
「相手は同じ高校生、意識はしなかった」
こんなに爽やかで堂々としたマインドの対局にある僕は、
テレビで中継を見ながら、
出身中学の情報も出るネットのライブ配信も見つつ、
選手たちの出身地をチェックした。
星稜がいかに全国から選手が集まっているか、
田高がいかに地元の子供たちばかりか、
そういうことに注意を向け、
試合には負けたけど、”地元率”では圧勝!
などとつまらないことに納得しようと。
でもまぁ実際、やはり田高は全員地元の子、
(結局そこにこだわるこの小物っぷり…)
しかも人口の少ない和歌山県南部の子で、
おまけにスポーツ推薦もない進学校、
優勝候補相手に見事な戦いっぷりでした。
月並みだけど、本当に感動をありがとう!
伝統の応援歌、「田辺が大将」が甲子園に流れ、
大応援団が盛り上がっている映像が出るたびに
なんか胸が熱くなったなぁ。
ああ、無理してでも駆け付けたらよかった。
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76年ぶりの出場を果たした我が母校、
田辺高校はいきなり今日の第二試合、
13時からプレイボールです。
相手は石川の星稜。
……はい、優勝候補の一角です。
公式戦13連勝中で、秋季大会も優勝したのだとか。
でも野球は何が起こるかわかりません。
石川代表ということで、
日本中の応援も星稜に偏るかもしれませんが、
これを読んでくださっている皆様、
よかったら和歌山の田辺高校、
通称「田高(でんこう)」も応援してあげてください。
76年ぶりなんです。
いい高校なんです(めっちゃ漠然)。
4番を打つ山本陣世くんは僕の友人の息子です。
その友人曰く、松井秀喜のいない星稜は
たいしたことないという評判だそうです。
っていつの話や!
個人的には懐かしい田高のユニフォームを
甲子園で見られるだけでも感極まりそう。
僕は陸上部だったので彼らの練習を見ながら
毎日走っていたんですよねえ。
さあ、熱い試合を見せてくれ。
バモス田高!
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これ、紙製です。
幼児用雑誌、「幼稚園」の付録です。
再現度高いですねえ。
受話器をフックに置くとテレホンカードが出てきます。
しかしなぜ街角から消えつつある公衆電話が付録なんだろう、
と考えていたら、虎キチKがこんなことを言いました。
「前に誘拐された子供が公衆電話から
110番して助かった事件があったやん。
子供に使い方を教えるためちゃう?」
なるほど。
ちなみにこれが今の「幼稚園」。
お値段、なんと1200円!
まぁ、豚児もえらい喜んで
電話ごっこしているから安い買い物でした。
今は紙代も人件費も上がっているから、
書籍はどうしても高くなります。
こればかりは仕方ないですね。
でも映画より安いし、
2時間の映画とは比較にならない情報量が本にはあり、
何度も読み返せるうえに、
紙の手ざわりを感じながら読める至福があります。
なぜこんなに書籍側に立っているかというと、
別に僕の新刊が出ることとはまったく関係ありません。
でも紙の本はいいですよ。
なんといっても精神が豊かになります。
というわけで、今度の僕の新刊も
いい値段になると思いますが、
「高っ!」と思わないでくださいね。
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僕の大好きな空間、阿佐ヶ谷「ヴィオロン」にて
奇人(奇跡の人)井上想くんのコンサートが行われた。
もともと笛吹きの彼は笛をつきつめる旅に出て
なぜかインドの古典音楽「ドゥルパド」に行きつき、
16年前に単身インドに留学、10年以上もの修行を経たのち、
今はその師匠となってネパールを拠点に活動しつつ、
たまに日本に帰ってきてコンサートをしている。
以前はこの想くんが何度も家に押しかけてきて、
腸がよじれるまで笑わしてくれ、
仕事の邪魔をしまくって去っていった、
みたいなことをこのブログによく書いていたが、
いま住んでいる一戸建てに引っ越してからも
じつは想くんが帰国するたびに襲撃に遭っている。
もっとも、虎キチKも涙を流しながら笑っているから
大歓迎なんだけど。
コンサートの話に戻って。
会場のヴィオロンは満席。
「眠くなったら寝ていいんです。
体や細胞が音を聞いているので」
想くんは必要最低限のMCをしたあと演奏を始めた。
タイムスリップした異空間に
インドの弦楽器と想くんの声が響き続ける。
心地いい空気の振動を全身で浴びているうちに
まるで温泉につかっているように
手足の先がぽかぽか温かくなってきた。
コンサート後、中華料理店で飲みながら
その感想を話すと、想くんは
おもちゃを買い与えられた
子供のようなキラキラした目になった。
同じことを言う人はとても多いらしい。
万人受けするとは思えない音楽だけど、
想くん曰く、子供たちにもウケがよく、
音を追求しているライブハウスの店主たちにも
たいそう驚かれるとのこと。
そんな想くんとインドの古典音楽のコンサート、
あちこちで行われています。
直近では明日(笑)。
3月16日 新潟県三条市
3月20日 神戸市
4月2日 松江市
4月5、6日 長野県東御市
詳細は誰かがつくった想くんの公式サイトで。
想くんはいつからインドで修行を始めたんだったっけ?
と思い、このブログ内を検索して、
過去の想くん記事を読んでいたら、
自分で言うのも寒いけど、めちゃめちゃ笑ってしまった。
ただただ想くんがおもしろすぎるだけなんだけど。
皆さんもお時間があったら、読んでみてください。
文中の想くんの名前をクリックしていけば
ひとつずつ過去の記事に戻っていけます。
まずはこちら→ 想くんvsインド人
小さな悩みが吹き飛ぶようなパワーがあります。
]]>期間限定で新横浜ラーメン博物館に出店している。
友人である三代目が本店の休みの日に
ラー博のその店に応援しにいっていると聞き、
それに合わせて昨日食べにいくことにした。
天気予報は降水確率100%で嵐のような悪天候。
一瞬ひるんだのだけど、
かえって好都合かもしれないとも思った。
どの店も閑古鳥が鳴いていて、
いつもは並ぶような人気店でも
気軽に食べられるんじゃないだろうか。
前回ラー博に来たのが、
過去の写真を見ると8年前だ。
そんなに久しぶりなのか、
と思いつつ中に入ってみたら
顎が外れそうになった。
このときの僕のショックを疑似体験してもらいたいので、
もっと昔、10年前に撮った写真から載せようと思う。
こちら。
昭和33年が再現された町の広場には
休憩エリアのように椅子やベンチが置かれていた。
その広場を取り囲むようにラーメン店が並んでいる。
広場では紙芝居など様々なパフォーマンスも行われていた。
で、10年後の昨日。
嵐の悪天候の平日。
同じ広場はこうなっていた。
↓
椅子やベンチは撤去され、
各店に並ぶ人がとぐろをまいている。
人気店の山形「龍上海」や
北海道「利尻らーめん味楽」は1時間待ち。
ほかの店も軒並み行列。
日本のラーメンの世界的なブームと、
インバウンド需要は無関係じゃないのだろう。
じっさい外国人はたくさんいた。
鶏だけでとった世界一シンプルなスープ
(だからこそ澄みきっていて、
余韻が長続きするうまさがあり、
僕はそれが至上だと思っている)
で勝負する「千草」は
いまどきの複雑で旨味が分厚い
”足し算”だらけのラーメンとは真逆なせいか、
比較的すいていたが、それでも20分待ち。
やっぱうめぇ。
そのあと別の店をハシゴしようと思ったけど、
長蛇の列に気持ちも萎え、早々に出た。
ラーメンだけじゃなく、
ラー博のあの雰囲気も好きだったんだけど、
あの人混みはちょっとなぁ。
ま、外国の方々にあの世界とラーメンの味を
知ってもらえるのは嬉しいんだけどね。
(じつはチェコから友人が来たとも
ここに連れてこようかちょっと悩んだのだ)
]]>
テレビ各局がいろんな番組で
「ちびまる子ちゃん」を流していたと思う。
僕は「ちびまる子ちゃん」をほとんど観たことがないので
このアニメに実は思い入れはないのだけど、
それにもかかわらず、昨日紹介されていた
あるシーンを見ながら思わず泣いてしまった。
35年間の放映の中でもスタッフがとくに
TARAKO氏の熱演について思い出深い回らしい。
お父さんとお母さんがケンカして離婚するという話になり、
まる子が「みんなと一緒にいたいよ」と泣くシーンだ。
たしかにすごい。もう演技じゃない。
探したらティックトックとやらに動画があった。
よかったらハンカチをもってご鑑賞ください。
→こちら。
で、今日になってこのニュースを読み、
このまる子の号泣シーンを思い出した。
↓
まさにおっしゃるとおり、当人同士の問題だけど、
二児の父らしいこの髭面男性や相手の女優さんに
このまる子号泣のシーンを見せたら
どういう顔になるか見てみたい、
という黒い興味をちょっと抱いてしまいました。
それはともかく、先週は鳥山明氏といい、
悲しい逝去の知らせが続きました。
お二人のご冥福をお祈り申し上げます。
]]>新刊、やっと書き終えました。
あとはゲラになったものに
鉛筆で校正を入れるだけ、
それを何度か繰り返すだけ、
とまあ、まだ作業は残っているわけだけど、
とりあえず大山は越えました。
いいのができたと思います!
集大成的な本になるかなと。
発売まではまだまだありますが、
おいおい告知させてもらいますね。
で、今日は別の告知。
僕が日本一うまいと思っているラーメン店、
岩手県久慈市の老舗「千草」が
いま期間限定で出店しています。
普段店で出しているものとは違う
初代の味を再現したラーメンだそうで。
詳細はこちら。いい記事です。
ま、いつもと違うラーメンとはいえ、
丼1杯に0.5羽分もの親鳥を使った
透明感あふれるスープ、および
そのスープと相性抜群の自家製麺、
という基本ラインは守られている様子。
千草の味を知ってからというもの、
どの店で食べても千草と比べてしまいます。
相方の虎キチKも千草のラーメンが大好きで、
二人してほかの店でラーメンを食べるたびに
店を出てから
「今の店が左手、千草が右手、せーの」
と言って、お互い同時に手を上げる、
ということをもう何年もやっているんですが、
これまで一度も左手が上がったことがないという…。
ま、ラーメンほど好みの分かれる嗜好品もなく、
感じ方は人それぞれになると思いますが、
よかったらみなさんもこの機会に
食べにいってみてください。
4月7日(日)までです。
これを逃すと岩手県の久慈か、
最近分店がオープンした仙台まで行かないと
食べられませんよ(笑)。
]]>
僕の頭に浮かぶのは
「川幅日本一」と「うどん」なのだけど、
実は中山道の宿場町であり、
昔から雛人形造りで知られた場所らしい。
広辞苑には「鴻巣雛」という名前も載っている。
そんな鴻巣で「びっくりひな祭り」というイベントが
行われていると聞き、
豚児もまあ一応女の子なので行ってみた。
「びっくり」なんてネーミングはちょっとどうなのか、
と思っていたけれど、大げさではなかった。
メインであるこの日本一高いピラミッド型ひな壇は
ほかにも9つの会場があり、
無料循環バスで巡ることができる。
こちらは江戸時代の雛人形。
人毛を麩糊でつけているため、
ネズミがかじってこんな具合になるんだとか。
こんな雛人形も。
昼食はいつものうどん店「長木屋」へ。
主人が僕の著書や連載を読んでくれている方で、
近くで講演や取材があるたび寄っているんだけど、
なにげにすごい店で、創業は明治24年。
北海道産粉100%の麺に、無化調の天然出汁。
このあたりのいわゆる武蔵野うどんとはまたちょっと違って、
麺はしなやかでムニムニした弾力と甘味があって、
とにかくめちゃくちゃうまい。
鴻巣名物「川幅うどん」もいいけど、
麺が素晴らしいので普通のうどんがお勧め。
出汁も最高。
びっくりひな祭りとマラソンがあったせいか、
この日は店の前に長蛇の列が。
しかしここまで来て諦めることはできず、
13時過ぎから並び、食べられたのは14時半だった。
豚児も文句をいわずよく待ってくれたよ。
この日は特別だったみたいだけど、
お昼時はいつも混んでいるようなので、
時間は考えていかれた方がいいかも。
ただ、営業時間は14時半までだけど、
麺がなくなり次第終了なので判断が難しいところ。
この日は14時前には順番を書くボードが仕舞われていた。
夜の部開始の17時半に行くのが一番確実かも。
うどんも最高だったし、
ひな祭りも想像をはるかに超えていたし、
いや、実にいい日でした。
びっくりひな祭りは3月9日まで。
ちなみに以下は
保育園に毎朝出している連絡帳。
↓
人形の里として知られる埼玉県鴻巣市の「びっくりひな祭り」を見にいってきました。質量とも圧巻のひな飾りで、父母は感動しきり。なのに肝心の娘は父母が期待したほどの反応を見せず、彼女が最も盛り上がったのは、帰り道に現れた公園に遊具を見つけたときでした。
それならここまで来なくても……。
]]>
何かの力に衝き動かされるように
「大谷のお相手は高木美帆だ!」
とここに書いた。
本気で当てにいったし、
もしかするともしかするのでは、
と妙に興奮していた。
万が一当たったら、占い業も始め、
新NISAの相談も高額な手数料をとって始めようと思った。
南米イグアスの滝にいる友人にもメールすると、
関連業界を知るその彼からは、
「あるかもしれない!」
と即レスが届き、
地球をまたいで大谷の相手予知で盛り上がった。
原稿の〆切前なのにそんなことをやっていたから
明け方の4時半まで仕事する羽目になった。
それでも天啓の降り方にいつもと違う力強さがあり、
変に興奮していた僕は7時には目が覚め、
すかさず虎キチKのスマホを借りて確認した。
ボールの上50?ぐらいをフルスイングで空振りしていた。
新NISAの相談、よかったらのりますよ。
300円で。
]]>
突然、見えてしまった。
明日発表されるというお相手が誰か。
ずばり!!!
高木美帆! スケートの!
なんの根拠もないただのカンです。
今日の発表の仕方からして
一般人とは考えにくいな、
とか考えていたら急に閃きました。
まだ誰も言っていないと思うし、
万が一このカンが当たって、
「くわあ、先に書いておけばよかった!
今から書いたら単なる後出しじゃんけんやん!」
とらないよう、先に記しておきます。
まぁちょっとしたワクワクを
より楽しもうということで。
当たったらめっちゃおもろいでしょ。
]]>パリオリンピック出場権獲得!
いやー、やっぱり女子サッカーも面白いですねぇ。
北朝鮮も強かったけど、よく勝ち切りました。
キーパー山下のライン上のボールかきだしに、
清水の股抜きからの完璧なクロス、
長谷川の天才的なプレーの数々、
何度大声を上げたことか。
隣家のTさん、すみませんでした。
負けたらオリンピックも落選という
天国か地獄かの大一番でした。
ほんと決まってよかった。
今朝起きた瞬間、ニヤニヤ笑ってしまうほど
僕は上機嫌です。
ありがとう、選手に関係者のみなさん。
ところで、話変わって。
今ちょっと政倫審の中継見たけど、
こちらも面白いですね。
基本、ペーパーなしの応酬で、
予定調和っぽさが薄くて。
増税メガネの眉がぴくぴく動いているあたり、
なかなか上質の人間ドラマです。
まあ案の定具体的な話は全然出てこないけど、
在任中は政治資金パーティーはしないと
とうとう明言させられていました。
いいねえ。
連座制も実現したらちょっとは政治を見直します。
]]>万病に効くといわれる神がかり的な温泉がある。
さらに福島には日本三古湯の座をかけて
我が郷里南紀白浜と争っている(?)
「いわき湯本温泉」もある。
ということで、左手の骨折療養を兼ねて
福島温泉ホッピング旅に出かけたのだが、
出発前にネットの地図で距離などを調べていると、
「へたれガンダム」という文字が目に入った。
当然走行ルートに入れ、
いざ行ってみると、
そこには衝撃的なガンダムがいた。
鉄のアマチュア作家(故人)がつくったものだそう。
顔が終始ニヤニヤ。
ククルスドアン(テレビ版)の作画崩壊ガンダムに近いかも。
ちなみにこれ。
↓
また違うか…。
どちらも味があるのは確か。
へたれガンダムに戻って、
いまや観光名所になっていて、
自転車ラックまで設置され、
お賽銭箱まで(しかも結構入っていた)。
19歳時の自転車日本一周旅行以来、
福島県にはおもしろいイメージがあるんだけど、
今回もまた増強されました。
こんなところも。
↓
神がかり温泉の効果はどうだったのか、
日本三古湯にふさわしいのは白浜か、いわき湯本か、
そのあたりのことはサイクルスポーツの次号に書きます!
*
さあ、今日は大一番。
女子サッカー日本VS北朝鮮。
オリンピック出場がかかっています。
NHK総合で18時半から。
でもネットのニュースなんかでも出回っているように、
現地応援の数がやや寂しい状況のようです。
行きたいけど、僕は〆切前で無理…。
時間に余裕がある方、ぜひ現地観戦を!
こちらから買えます
↓
ゴール裏で3100円です。
オリンピックのあの会場も見られますよー。
応援の声が力になります。
女子サッカーは男子サッカーと比べ、
迫力がないとかいろいろいわれているけど、
スピードやパワーに劣る分、
パスの美しさや戦術の見やすさなど、
男子サッカーにはない魅力があります!
見ていてほんと面白いです。
ぜひぜひ応援を!
]]>
福島温泉ツーリングしていました。
それはさておき、チェコの友人東京案内編の続きを。
柴又から。
*
帝釈天の参道は映画のセットのような
昭和レトロな通りだ。
寅さんの世界がそのまま広がっている。
(ジャンたちは寅さんを知らなかったけど)
その参道に蕎麦屋があった。
場所が場所だけに
間違いなく観光地プライスだろうし、
味も期待できないだろうなと思ったが、
歩きづめで疲れていたこともあったので、
その店「やぶ忠」に入った。
天せいろを頼むと、
大ぶりのエビ、キス、
茄子、カボチャ、オクラ
の天ぷらがドンと盛られ、
蕎麦は手打ち、かつ特盛りぐらいの量で、
(別に大盛りを頼んでいないのに)
税込でなんと1250円!
田舎の店よりずっと安いのでは?
手打ちそば屋でざる蕎麦を頼むとたいてい
しみったれた量しか出てこないので、
こういう店には好感しかない。
食べてみるとますます
「ほんとにこの値段でいいの?」
と申し訳なくなるくらいうまかった。
聞けば、「外二」らしい。
蕎麦粉が10、小麦粉が2の割合だから、
二八以上に蕎麦が多いわけだ。
ジャンたちに蕎麦を食べてもらうのは
じつは四半世紀来の夢だった。
彼らチェコ人もロシア人同様
ソバをよく食べる。
もっとも日本蕎麦のような麺ではなく、
ソバの実をゆでて、そのまま、
つまりご飯やお粥のような形で食べる。
彼らの家に泊まったときは
ゆでたソバの実に粉チーズが振られて出てきた。
強い香りを持つその二つの食材が
僕には調和しているとは思えなかった。
文化や味覚が違うからだろうけど、
では逆に彼らが日本蕎麦を食べたらどうだろう?
とそのとき思ったのだ。
拙著『洗面器でヤギごはん』にも書いたと思う。
で、結果はというと、
ジャンたちは蕎麦をうまいうまいと
喜んで食べてくれた。
箸にまだ慣れておらず、蕎麦をたぐるのも一苦労で、
こりゃ食べるのに相当時間がかかりそうだな、
と思っていたら、
僕や虎キチKよりずっと早く食べ終えていたから、
(僕らが極端に食べるのが遅いせいでもあるけど)
お世辞ではなくほんとに気に入ってくれたようだ。
もちろん、だからといって彼らのソバ料理と
日本蕎麦を比較して「勝った」なんていうつもりは
毛頭ないけれど、理屈抜きで嬉しくなった。
ところで、柴又ってやっぱり物価がちょっとおかしいような…。
家で食べようと買って帰った草団子も
24粒入って、あんこもどっさりつけられていて、
税込1000円だからなあ。おまけにめちゃおいしいし。
ジャンたちも柴又のことをえらく気に入っていた。
特に理由はないけどなんとなく惹かれる、
という場所が、
友人を案内するのにいいのかもしれませんね。
友情が長く続いているというだけで
好みもおそらく似ているだろうから。
ああ、だったら阿佐ヶ谷にも連れてきたらよかったかな。
(彼らが泊まっていた浅草からは遠すぎるのでやめたんだよなー)
]]>来日したので東京を案内した。
浅草のホテルに迎えにいき、
そのまま雷門から仲見世通りへ。
前回ここを訪れたのは3年前だ。
コロナ禍真っ最中で誰もいなかった。
で、今回行ってみると通りは満員電車状態。
まともに歩けず唖然としてしまった。
早々に浅草を出て、
柴又に行くと空気が変わった。
ここに来るたびに思うけど、
東京から田舎にふらっと降り立ったみたいで、
急に静かになり、のどかな空気に包まれる。
浅草にうんざりしていたジャンたちも
やっといい顔になってくれた。
帝釈天の奥にある山本亭。
何かの日本庭園ランキングで
全国3位になったこともあるそうな。
見るだけならなんと100円。
ジャンは世界のあちこちを自転車で走ったり、
スキーで山頂から滑降したりと
めちゃくちゃアクティブな一方、
哲学的で瞑想好き。
そんな彼はやはり柴又の静けさや
この山本亭の侘び寂びを
気に入ってくれたのだが、
ほかに行きたいところはあるか聞くと、
渋谷のスクランブル交差点だと言う。
…なんで外国人はあそこが好きなんですかね?
さすがにジャンは違うんじゃないかと思ったので、
「つまんないよ」
と重々前置きしたのち連れていったら、
彼は「ヒャッホゥ!」と目を光らせ、
”交差点を渡る人の群れ”の動画を録りだした。
うーん、外国人の七不思議。
翌日、再び合流し、
新宿都庁などを見て
(しかし展望ロビーは月に2回の定休日……)
回転寿司店に行ったのだが、
あさりの味噌汁が運ばれてくると、
ジャンがこんなことを言った。
「これはどうやって食べるんだ?」
チェコには海がなく、
彼らは二枚貝を食べたことがないというのだ。
へえ〜と思うことがいろいろあったけど、
長くなりそうなので、また次回。
あ、ちなみに彼らは
初めて食べるアサリを
「うまいうまい!」
とえらい気に入ったようで、
身も全部ほじって食べていました。
]]>以前、このブログに
「ここだけは行っとけ」
な場所があれば教えて、
と書いたところ、
たくさんの方から
連絡をいただきました。
皆様、ありがとうございます。
その中のひとりの方から
自転車で東京を観光しませんか、
というお誘いが。
という自転車ガイドツアーを運営されている方です。
拙著や僕の連載記事を読んでいるとのことで、
とても丁寧なお誘いでした。
希望の場所まで電動アシスト付きのe-bikeを
運んでくれるので、
たとえば参加者は宿で待つこともできます。
英語のガイド付きで3時間。
めちゃくちゃいいやん!!
友人夫婦に「どう?」と聞くと、
二つ返事で「それやるやる!」とノリノリ。
僕や相棒の虎キチKも参加する予定で、
楽しみにしていたのですが、
一昨日、友人夫婦からこんなメールが届きました。
「北海道でスキーしていたら、
妻が転倒して肘と肋骨を折ってもうた」
「…は?」
怪我をした彼女のことを心配しながら、
同時に東京バイクブリス運営者の方にも
申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
この日のためにこちらの要望を聞いて、
コースに組み込むために下見をするなど、
駆けずりまわってくれていたのです。
重い気分で東京バイクブリスにメールすると、
彼からすぐに返事がきました。
「奥様は大丈夫ですか!?」と。
外国でそんな目に遭ってさぞ心細かったでしょう、と。
それから何度かメールをやりとりしましたが、
最後まで友人の妻のことを心配してくれました。
先に書いたとおり、
コースづくりも本当に丁寧にされていますし、
HPを見ると、心から喜んでもらいたい、
今回僕たちは体験できなかったけれど、
こういう人のガイドツアーだと、
きっと気持ちよくて楽しかっただろうな。
みなさんもよかったら、
電動アシスト付き自転車で走って
風を感じながら
”針で縫うように”
東京を観光してみませんか?
外国人の友人が遊びにくるときとか
おあつらえむきかと。
※頼まれて書いたわけではなく、
彼の姿勢に打たれ、書かせてもらいました。
]]>