石田ゆうすけのエッセイ蔵

旅作家&エッセイスト、石田ゆうすけのブログです。


※親サイトの『7年半ぶっ通しチャリ世界一周』はパソコンを新しくしたためにストップしたままです。
近況報告や各種案内は、もうしばらく、当ブログにて行います。
若年性認知症の恐怖
記憶力にはけっこう自信があった。
しかし最近は本当にダメだ。
原因はわかっている。

ペルーで強盗に襲われたあと、現地でアルミ鍋を買った。厚さ約3mmと、かなりの分厚い鍋だったが、やけに軽く、しかもちょっと力をかければぐにゃりと曲がるほどやわらかい。それでご飯を炊くと、表面にうっすらと銀色の幕がはった。
この鍋を使い始めて1年経ったころ、物忘れがひどくなってきた。説明するまでもないだろうけど、アルミ成分は体にたまり、認知症をひきおこすといわれている。

あるとき、スウェーデンのとある町で、男5人が民族衣装を着て、南米フォルクローレを演奏しているのを見た。話しかけてみると、ペルーから来たという。
「そっかー! 奇遇だな。俺、ペルーで鍋を買ったんだ。もう使わなくなったから君たちにあげるよ!」
といって、彼らに鍋をあげ、ぼくはスウェーデンで新しい鍋を買った。

今から考えると、ひどいことをしたような気もするが、そのときのぼくは、ペルーの鍋をペルー人に返すことで一件落着という、自分でもよくわからない感情に支配されていたのだ。

なんか長くなってしまったが、つまり、ぼくの物忘れのひどさはすべてあのアルミ鍋のせい、というわけである。それ以外の理由は一切ない。

さて、現在、3作目の本の執筆のために時々日記を読み返すのだが、「え?こんなことあったっけ?」と首をかしげることがよくある。
昨日はびっくりするような事実を発見した。
ウズベキスタンでのことだ。
食堂で闇両替をしたとき、ポリスらしき男が近づいてきた。逃げようとしたら、両替屋のオヤジがぼくの手をつかんだ。こいつらグルだ、と思った次の瞬間、ぼくは相手を力いっぱい突き飛ばしていた。オヤジは後ろにひっくり返った。ぼくは食堂から飛び出し、サマルカンドの町を全力疾走した。走りながら「まるでタンテイ(あるいはドロケイ)をしているようだ」と少しニヤニヤした。

という事件があったのだが、そのことをまったく思い出せなかった。
何を食って誰に会ったか、というのは忘れても、闇両替屋のオヤジを突き飛ばしてポリスから全力で走って逃げる、なんていう出来事まで記憶に残っていないとは……。

ぼくの脳みそはすでにツルツルかもしれない。怖い怖い。


しかし、なんでこんなおいしいネタをこれまで書かなかったのだろう?
ということで、3作目に書きました(笑)。

って、ここにも書いとるやん!


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今日も書きなぐり
今日も浜中が打ちました!
4割3分という超高打率!
ひやああ、このまま行ってくれよー。
何度もいいますが、彼は同郷なのです。

「最近、エッセイに手抜きすぎてるんじゃねーの」
と友人に言われました。
そのとおりです(笑)。

前までは「日記」ではなく「読み物」を書こうと意識していたんですが、ホームページの休養を余儀なくされ、このブログに書き始めたとたん、気分がだらけました。あと、3作目の追い込みでキュウキュウしていまして、ブログに時間を割くことができず・・・。でもま、何も書かないより、「浜中打った!嬉しい!」でも書いとこうかなあ、とか。
そのうち、「今日は何を食べました、うまかった」になったりして・・・。

えっと、お知らせです。
今日発売の「サイクルスポーツ」の35ページにぼくの記事が出ています。
海外サバイバルツーリングのノウハウ(になっていないけど)を説いています。よかったら読んでください。

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素晴らしき営業努力
アメリカ海兵隊のグアム移転に関して、ジャイアンアメリカは最初、日本政府に移転費用の75%を負担しろと言ってきた。それを聞いたときは「アホか」と思った。沖縄からグアムに移転するのは、ほんとはあんたらの都合やろーが。

75%という数字にはさすがの日本政府も驚いたようで、反発する雰囲気がかなり強かったように見えた。「日本も言うときは言うか?」とほんの少し期待した。

今月14日、額賀官房長官は75%という相手の要望に対し、家族住宅に相当する30%分は日本が負担しましょう、みたいなこと(うろ覚え)をアメリカの国防副次官に言ったが、アメリカは首を縦にふらなかった。これが東京での話。

で、額賀氏はわざわざアメリカに出向いて、その話をしに行った。
その前に麻生外相が「目標は50%負担」と言っていた。それをニュースで聞いたときはあせった。ばかっ、そんなこと公言してしまったら、50%以下には絶対ならんやんか! 営業のABCを誰かあいつに教えてやれー。それに目標は30%違ったんかい!

そして、今朝、ヤフーニュースを見たときは目を疑った。
「59%で決着」

なんじゃそりゃ!

額賀のオヤジとラムズフェルドが握手している写真まであった。
額賀氏は、なんと笑顔だ。

向こうが出してきためちゃくちゃな要望について話し合うために、わざわざこちらからアメリカに出向いたうえに、こちらが大幅に譲歩して妥結し、あまつさえ最高の笑顔で握手を交わしている。こんなの、アメリカ人から見ても「日本人て何なの?」と首をかしげるんじゃないのか?

感情だけでいえば1銭たりとも払いたくないけど、現実から目をそらすわけにはいかない。アメリカとの関係に水を差すのは得策じゃない。
だけど、せめて、せめてアメリカの自国負担よりは低い額にしてほしかった……。なんで59%やねん。なんで日本がアメリカより出さなければならないねん。

ぼくの税金はそんなことに回さないでほしい。そんなことのために働いているんじゃない。そんなことに使うのなら、災害支援、弱者支援に全額使って欲しい。

自分が払う税金の使い道を、ある程度指定できる制度があればいいのに。

ああ。
去年見たベストムービー、『チーム☆アメリカ』のテーマソングが頭の中でずっと流れている。
アメーリカー ファックユー
(お前ら、これは世界大多数の人々の叫びじゃ!)

| 社会 |
金本のクールな炎
東京、とくにここ阿佐ヶ谷は大好きな町なのだけど、ひとつ不満がある。
巨人戦以外、阪神の試合が見られないことだ。
「衛星テレビに入ればいいじゃないか」
そのとおり。
しかしそんなものに入る気はさらさらない。

今年はどういうわけか、この伝統の一戦がずーっと行われなかった(なんで?)。おかげで阪神の試合はまだ1度も見ていない。サッカー日本代表の試合ぐらいの頻度に感じる(もっとやってくれ!ということだ)。

で、やっと今週の金曜から待望の阪神-巨人戦が始まり、テレビの前に釘付けになったのだが……がっくり。
1試合目はまだよかった。井川の復活した姿にしびれた。だけど昨日はなんだ? 原稿書きに8時半まで追われ、ようやくテレビをつけたと思ったら、ちょうど矢野が最後の1球を凡打にしてゲームセット。「なんやそりゃ!」と本当に大声を上げてしまった。想像してみてほしい。この3連戦をずっと楽しみにしていたのに、3秒しか見られなかった男の哀しさを(せめて9時までは戦ってくれ〜)。

しかししかし!
今日は気持ちよかった!
6対2で阪神勝利! うっほ!
7回だっけか。巨人バッテリーが3番のシーツを敬遠気味に歩かせ、4番の金本で勝負、という作戦をとったとき。金本の表情と後姿に、ぼくはぞくっとした。氷のようなクールな目に底知れない不気味さが漂っていた。絶対に打つな、と思ったら、フルカウントから痛烈な二塁打。ダメ押しの2点追加!

連続フルイニング出場の世界記録を作った男からは、ときどき神がかったオーラを感じる。いや、ほんとしびれた。

あと、浜中の好調がめちゃくちゃ嬉しい。
彼はぼくと同郷なのだ。
ただいまセリーグのホームラン王。
2年間、たまったうっぷんをバットで晴らしまくれー!
(浜中は肩の故障で2年間をふいにしたのである)

*
今日は読者無視の書きなぐり日記でした。悪しからず……。

| スポーツ |
真夜中の警官
先日、真夜中に青梅街道を自転車で走っていたときのことだ。
(なんか怪しい行動だな。でも友達の家から帰っていただけです…)
前方に警察官が2人いて、ぼくに向かって誘導灯みたいなものを振っている。
「こっちに来い」と歩道側に誘っているらしい。

腕の筋肉がピクンと硬直した。
「突破するか?」と思った。

ぼくの頭にはアフリカの情景が広がっていた。
アフリカを走っていると兵士や警官などによく手招きされる。
彼らはぼくにたいした用事があるわけじゃない。暇つぶしに質問したり、難癖をつけて賄賂を要求したりするぐらいだ。だから半分ぐらいは彼らの手招きを無視して「突破」していた。

続いてハンガリーの情景が脳裏に広がった。
ブダペストの町中で何度か「偽警官」に会った。手招きされたが、無視して通り過ぎていた。ハンガリーに限らず、町中で意味もなく声をかけてくる警官はだいたい偽者だ(今は知らないが、当時は偽警官が多かった)。

そして真夜中の青梅街道。
「こんな時間に手招きするような警官は偽者に決まっとる。突破や」
そう思った0.1秒後にハッと我に返り、ここが日本だということを思い出した。警官の前を通り過ぎる前に、ぼくは慌てて自転車を止めた。

警官はいかめしい顔をして言った。
「ライトがついていないぞ」

……はい、ごくろうさま。

解放されたあと、再び夜の街をぶっ飛ばしながらひとりでにやにやした。
いまだに、へんなところに旅の感覚が残っている。
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ピザ屋の店主の横顔
このところまったく更新できずにすみません。
3作目の本の執筆とその他の仕事に追われていまして……。
でも今日は息抜きと懺悔を兼ねて、胸のもやもやを吐き出します。

本の執筆のために、旅をしていたころの日記を読み返しています。
ときどき、ちくっとした痛みが走ることがあります。さっきそうでした。

フランスの小さな村で、ある人にお世話になりました。
ピザ店をひとりで切り盛りしている、40過ぎのおじさんです。

「人口2千人のこの村でピザ店を経営するのは至難の業だよ。大工仕事もやって生活しているんだ」
彼はぼくにイワシのマリネやジュースを振舞いながら、少しさびしそうな表情でそう言いました。その横顔をぼくは黙って見ていました。

「日本に帰ったら手紙くれよ」
と言って、彼はピザ店の住所ではなく自宅の住所を渡してきました。
「帰国するのは2年後だろ? そのころにはこの店はないかもしれないからな」
彼はそう言って笑いました。

さっきその日の日記を読みながら、そのときのことを鮮明に思い出し、そして彼に手紙を書いていないことを思い出しました。彼からもらった住所のメモをなくしたのです。こういうところ、ぼくは本当にだらしない。

そんな自分を嫌悪していたら、過去の不義理をいろいろ思い出しまして。
メールもそう。
読者のみなさんから時々感想をいただきます。そのいくつかには返事を出し損ね、長い時を経てしまっています。
ダメだなぁ、と思いつつ、でも結局目の前の仕事に追われ、目をつぶっている。
「手軽なこのメールの時代、みんなもっと適当にやってるよ」と考え、もっと気楽にやればいいのか、それとも謙虚に不義理を戒めるべきなのか。

答えなんかないだろうけど、ピザ屋の店主のさびしげな横顔を思い出したとき、なんかいろんなものがチクチクしたのです。

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どうするアイフル?
アイフルが強引な取立てをしたとして、一定期間の業務停止を言い渡された。
対象が全店舗だから、そうとう厳しい命令だ。

金貸し業者にお世話になったことはないが、なんだか溜飲の下がる思いがした。それはおそらくぼくだけじゃないだろう。
同時に、「氷山の一角に違いない」とも思う。

なにかにつけ、自分の「旅前」と「旅後」を比較する。
95年から2002年まで、7年間。
この間の消費者金融を取り巻く環境はずいぶん変わったように感じる。

時間とともにいろんなものが変わる。
そして、それはたいていゆっくりと移行していく。その中にいると、次第に慣らされていくので、変化を実感としてつかむことは難しい。
逆に、慣らされる過程がまったくなかったぼくなどは、変化のコントラストが比較的はっきり見える。帰国後、あまりの変化に唖然となったことは少なくない。

消費者金融に関しては、「異常」に思えた。
テレビをつけても、電車にのっても、いたるところから「お金借りない?」と誘いかけてくる。こんな国、ほかにあるだろうか? 

いちおう断っておくと、消費者金融のあり方への批判じゃない。借りる人がいるのだから必要なのだろう。

しかしこの露出ぶり(しかもやたらと好イメージ)はどういうものか。
日本はどんどん品がなくなっているなぁ、というのが7年ぶりに帰国した際に抱いた正直な印象である。
なんかエラソーだけど、まぁそう思ったのだ。

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警察の怠慢
栃木で起こったリンチ殺人に対する裁判で、警察の怠慢が厳しく指摘された。
ご遺族の方たちの気持ちも少しは届いたようだ。

ぼくもなんだか胸のすく思いがした。
というのも、ちょっとした理由があって……。

知人の友人の話である。
家族3人。一人は乳飲み子。
彼らがある狂人に狙われた。

なんどか不審火が起こり、挙句の果てには、全焼までいかないけれど、部屋中がすすで真っ黒になる火事が続けて2回おこった。赤ちゃんの命にかかわりかねない事件だった。
犯人のめぼしはある程度ついているらしい。
しかし、警察に届けてもほとんど相手にされなかった。どれだけ懇願しても、実質的に彼らは動いてくれなかった。
誰かが取り返しのつかない目にあわないと、捜査の優先順位は上がらないということだろうか。

聞いていて本当に頭のくる話だった。
知人とは最近連絡をとっていないので、その家族がどうなったかは聞いていないのだけど……。

もしかしたら現場の警察官たちは、住民のクレームをひとつひとつ聞いていたらきりがない、と考えているのかもしれない。
しかし、今回のリンチ殺人にしても、また「友人」が受けている連続放火にしても、これら以上に切迫した状況というのはなんだろう?

今回の判決が警察の体質改善に少しでも寄与することを願う。

| - |
ニンジャ求む!
3年間使っていたパソコンが、やっぱりダメそうです。。
で、今は新しいパソコンから打っています。

こっちのパソコンからHPを更新するためには、前のパソコンで使っていたHP作成ソフトを買ってインストールしなければなりません。
「ホームページニンジャ」っていうソフトです。
センスを疑う名前ですが、名前以外にもちょっと問題がありまして・・

前のパソコンに入っていたのはニンジャのバージョン1.02です。この数字からうかがえるとおり、かなり初期のものです。
で、現在市販されいてるのはバージョン8。

で、この「8」の無料体験ソフトをダウンロードして、ぼくのHPのデータを入れてみると、予想通りうまく表示されませんでした。これだけバージョンに新旧の差があると、互換性はなくなるみたい。

もしバージョン8でやるとなると、また最初から作らなければなりません。ゾッとします……。

ということで、もし、「ホームページニンジャ」の初期のバージョンを持っている方、いらっしゃったら売っていただけませんか?
(…って、そういう譲渡をするのは違法なのだろうか?)

ちなみにソフト会社に連絡したら、在庫はないとの返事でした。


| 生活 |
★新刊が発売されました
『自転車お宝ラーメン紀行』 レトロな路地や古い喫茶店など都内の“お宝”を探索しつつ、昔ながらのラーメンを目指す大冒険(?)紀行です。産業編集センター刊。1100円+税。感想お待ちしています!→yusukeishida@hotmail.com
★dancyuウェブに連載中
食の雑誌「dancyu」のウェブサイトに「世界の〇〇〜記憶に残る異国の一皿〜」というアホな記事を書いています。→https://dancyu.jp/series/ikokunohitosara/index.html
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