2008.08.28 Thursday
胃酸の出る重大問題
かねてからぼくを悩まし続けている問題がある。
寿司の「1カン」というのは、寿司が1個なのか、2個なのか。
雑誌の原稿にたまたまその語――「カン」を使うことになったので、この長年の問題にけりをつけてやろう、と広辞苑を引いた。
すると、「カン」がのっていない。
けっ。これだから広辞苑はよ。なにが辞典の最高峰だ。セレブな顔しやがって。だいたいてめえの語釈は冷たすぎるんだよ。体温がないっていうかな。なんかこう、辞典て感じで。あ、辞典か。
と罵倒しながら、体温の通った「新解さん」こと「新明解国語辞典」を引いた。
すると、のっていない。
まさか。
あ、そういえば新解さんには「かぞえ方」がのっているのだった。
ということで、「寿司」を引いてみたら――そこにものっていない。この問題には触れてくれるな、といわんばかりに。
ためしに「のり巻き」を引いてみた。
【のり巻き】 中に味を付けたかんぴょうなどを入れて、まわりをのりで巻いたすし。太巻きと細巻きが有る。[かぞえ方] 一本
きちんと「かぞえ方」がのっているではないか。
次に「回虫」を引いてみた。
【回虫】 人間や家畜の小腸に寄生する害虫。形はミミズに似て、色は黄白色 [かぞえ方] 一匹
のっているではないか。
「寿司」は「回虫」よりも扱いが低いのか?
仕方がなく、パソコンをネットにつなぎ、検索してみた(最近、ネット世界と距離を置こうと、一日の大半はコードを抜いているのだ)。
すると、ウィキペディアにはこう出ているのである。
握り寿司は1かん、2かんと数える。貫の文字を当てることが多い。しかしまだ、一般の国語辞典では採用していない助数詞である。寿司を「かん」と数えた例は比較的最近からである。
なんと、そうだったのか。これで謎は解けた。すっきりした。いや、違う。いつの間にか謎が入れ替わっている。そもそも、1カンは寿司が2個なのか、1個なのか、という問題であった。
なおも調べてみると、「数え方の辞典」(小学館)には「最近では1個を1貫で数えるように変化している」と出ているらしい。しかし、語源的には2個で1貫が正しい、という意見も根強いという。
結局この問題は、ここ最近の天気と同様、ぼくの中ではすっきりしないままである。
これからもこの問題と向き合い、胃を溶かそうと思う。
寿司の「1カン」というのは、寿司が1個なのか、2個なのか。
雑誌の原稿にたまたまその語――「カン」を使うことになったので、この長年の問題にけりをつけてやろう、と広辞苑を引いた。
すると、「カン」がのっていない。
けっ。これだから広辞苑はよ。なにが辞典の最高峰だ。セレブな顔しやがって。だいたいてめえの語釈は冷たすぎるんだよ。体温がないっていうかな。なんかこう、辞典て感じで。あ、辞典か。
と罵倒しながら、体温の通った「新解さん」こと「新明解国語辞典」を引いた。
すると、のっていない。
まさか。
あ、そういえば新解さんには「かぞえ方」がのっているのだった。
ということで、「寿司」を引いてみたら――そこにものっていない。この問題には触れてくれるな、といわんばかりに。
ためしに「のり巻き」を引いてみた。
【のり巻き】 中に味を付けたかんぴょうなどを入れて、まわりをのりで巻いたすし。太巻きと細巻きが有る。[かぞえ方] 一本
きちんと「かぞえ方」がのっているではないか。
次に「回虫」を引いてみた。
【回虫】 人間や家畜の小腸に寄生する害虫。形はミミズに似て、色は黄白色 [かぞえ方] 一匹
のっているではないか。
「寿司」は「回虫」よりも扱いが低いのか?
仕方がなく、パソコンをネットにつなぎ、検索してみた(最近、ネット世界と距離を置こうと、一日の大半はコードを抜いているのだ)。
すると、ウィキペディアにはこう出ているのである。
握り寿司は1かん、2かんと数える。貫の文字を当てることが多い。しかしまだ、一般の国語辞典では採用していない助数詞である。寿司を「かん」と数えた例は比較的最近からである。
なんと、そうだったのか。これで謎は解けた。すっきりした。いや、違う。いつの間にか謎が入れ替わっている。そもそも、1カンは寿司が2個なのか、1個なのか、という問題であった。
なおも調べてみると、「数え方の辞典」(小学館)には「最近では1個を1貫で数えるように変化している」と出ているらしい。しかし、語源的には2個で1貫が正しい、という意見も根強いという。
結局この問題は、ここ最近の天気と同様、ぼくの中ではすっきりしないままである。
これからもこの問題と向き合い、胃を溶かそうと思う。