伊豆の旅館でマイケル・ジャクソン死亡のニュースを見た。
このようなニュースを、非日常の状況下――伊豆の旅館――なんかで見ると、「え……?」と余計に頭が空っぽになる感じがする。見慣れない畳の部屋や、窓の向こうの海。これからマイケル・ジャクソンの死を思い出すたびに、伊豆のこのひなびた旅館も頭に浮かぶのだろうな、と思った。
今の20代以下の人にとって、マイケルは少年への性犯罪や整形など、ゴシップネタの印象ばかり強いらしい。ま、テレビで言っていたことなので、まともに受け取るのも何だけど、でも世代間のイメージのギャップは確実にあるのだろう。
ぼくは彼の音楽を熱心に聴いたほうではないけれど、でもやはりスーパースターなのだという印象は強く持っていた。だから今回のニュースにはちょっとした喪失感がともなった。
はたしていまの音楽界で彼と並ぶスターがいるだろうか、と思う。ちょっと思いつかない。
あるいは、いまはスーパースターが生まれにくい時代なのだろうか?
よくはわからないけれど、なんとなく、マイケルがいた時代に青春を過ごしたことは、マイケルがいない時代に過ごすよりよかったんじゃないかな、という思いがふと起こった。理由はうまく説明できないんだけど。
そんなぼくたちの青春時代には、学校にひとりやふたりはムーンウォークをして調子にのっている生徒がいたものだ。いま考えると彼らは致命的に知能が低かったのだろうと思う。ぼくのことである。
今度、講演のときに、よかったらリクエストしてください。
空中移動をしているかのような素晴らしいムーンウォークを披露いたします。