さっき打ち上げも終わり、新潟のホテルに帰ってきたところです。
アラスカに移住し、ネイチャーガイドをされている河内牧栄(かわうち・まきえい)さんとのコラボトーク「豊かさとは何か?」
正直、ここ数日、「…どうしよう?」と僕の頭を悩ませ続けていました。
自分なんかに語る資格があるのかという思いもあったし、どんな話をしても結局まとまらないだろうという気がしたから。
でも終わったいま、心から思います。本イベントを企画&主催してくれた渡辺さん、ありがとう、と。お客さんがどう感じられたかはさておき、僕自身はいや、おもしろかった!
なんといっても牧栄さんの魅力につきますね。
自分で家を建ててしまう行動力とエネルギー、まわりを明るくさせるオーラ、豪快さとロマンチストさ、そして何より飾らない雰囲気。あと、日ハム時代のヒゲあり小笠原に似たルックスのカッコよさもあり。男の僕でも「惚れてまうやろー!」って感じで。いや、久しぶりにいい男を見たな、という気がしました。
イベントの最後は彼との対談だったんですが、もっとしゃべっていたかったぐらい。ま、昨晩も今晩も飲みながら散々しゃべったんですが。
マジメにアラスカの彼ん家に遊びにいこうかな(笑)。
何はともあれ、今回の素敵な時間を与えてくださった渡辺さん、牧栄さん、そしていつもいつも手伝ってくれる多佳子さんに大三くん、本当にありがとうございました。
あ、ところで「豊かさとは何か?」、最後の牧栄さんとの対談で結論が出ました。
豊かさとは……汗をかいて仕事をしたあとのビールです(笑)。
明日の新潟でのトークはこれまでとはまったく違うものをします。
テーマは『豊かさとは何か』
オーロラを自分の家から見たい、という夢をかなえるために家族とともにアラスカに移住し、現地でネイチャーツアー会社を開いた河内牧栄さんとのコラボトークです。
(明日の土曜日は僕のトーク&オーロラ鑑賞inプラネタリウム、あさっての日曜日は河内さんのトーク&河内さんと僕の対談)
主催は「エンライトン」。
ドーパミンが両耳から垂れているでおなじみ、宇宙人渡辺氏が立ち上げたボランティアグループです。
ちなみに渡辺さんは現在「スピークアップ」という実戦式英会話の学校を経営されていますが、近い将来、日本を明るくするために日本の(マッド)首相になることが決まっています。官房長官は笛吹きの想くんです。
閑話休題。
その渡辺さんから今回の話をいただいたとき、「おもしろい」と思うのと同時に、「また難題をふっかけてきたな〜」とも(笑)。
「豊かさ」とは?
あまりにもとりとめがない!(笑)
人間とは何か? について語れと言われた、とまではいかないにしても、しかし人によって住む環境によって、その定義は千差万別、百人百様、とてもひと言では語れないし、突き詰めれば突き詰めるほど漠然となるか、あるいは逆に表層的なものに終始してしまうか、そのどちらかになるんじゃないか、という危惧が出ました。
だから、そうならないために、ここ数日、ピーマン頭なりにいろいろ考えました。…まとまりません(笑)。そもそもこういった答えのないテーマを掘り下げるために小説などといった壮大な隠喩による表現形式があるんじゃないですかね。なんにせよトークで伝えるのは至難の業です。
でもま、ブサイクなりにがんばってみます。
それと、スライドショーもこれまで見せたことのない写真を中心にセレクトして組んでみました。いつもとはちょっと違う世界一周を味わっていただけるかと思います。お楽しみに!
両日とも13:30から。新潟市の中央図書館のホールにて。入場無料。
お申込みは025-243-1019またはwatanabesp@aol.com
お待ちしてまーす。詳細はスピークアップのHPにある今回の講演ポスターをクリックしてください→こちら。
で、別のトークのお知らせです。
12月11日(日)のお昼、横浜のバー「Mirai」でやります。
そう、前にトークをやった南極料理人、篠原さんのバーです。
今回は4回シリーズの第1回目、「北中南米編」を。
詳細&予約はこちらから→こちら。
前回はたしか2、3日で予約が埋まってしまったので、お早めに。
受け付けは今日の正午から。げ、もうすぐだ。
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話は変わりますが、昨日は東京練馬区で開かれた「うどんファンタジスタ」にチャリで行って竹原くんのうどんを食べてきました。
いや、やっぱ本店の薪釜でゆでられたうどんとは味が違いましたね。不思議なもんだ。ま、水の違いもあっただろうけど。
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また話が変わりますが、きのうのドラフト。ぶはは。おもろかった。
最注目の菅野投手、相思相愛の巨人に、という筋書きが壊れ、日ハムが交渉権獲得。あっはっはー。やっぱこうじゃなきゃ。
しかし日ハムが「強奪」なんて書き方をしている記事もあるけど、おかしいでしょ。菅野の親父が「日ハムに不信感」とかって記事も読んだけど、おーい、お前ら、なんか勘違いしてないかー。
でもまあ結局、誰彼みたいに浪人とかして再来年ぐらいに念願の巨人入り、とかになるんじゃないの? 日ハムに行ったら、俺は菅野を応援するぜ。でも別の選択をすると、俺は甲子園あるいは東京ドームから最大級のヤジを飛ばしてやる。
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調子が出てきたのでもうひとつ(笑)。先日の八重樫のボクシングはおもしろかった!
5ラウンドから10ラウンドまで足をとめての打ち合い。久々にああいうの見た気がするなあ。翌朝のスポーツ新聞の見出しにはこう出ていました。
「これがボクシングだ!」。
そうだ!わかったか、亀…あ、いえ。
あと、八重樫選手の出身地である岩手県で観られたのも感慨深かったです。
今回、岩手県に行ったとき、野田村にも寄ったのだが、ちょっと驚いた。
6月のはじめに訪れて以来だが、様相が激変していた。
以前は荒地が一面に広がり、津波が家々を引きはがす音が聞こえてきそうなほどの恐ろしい感じがあったが、それから5ヵ月近くたって今回行ってみると、その荒地には一面に草が生い茂っており、一見しただけでは被災地とは見えず、広大な草原のようだった。自然はこんなにも速いスピードですべてを覆い尽くすのか、と驚愕の思いでその光景を見、そして地球が生きているという感じを強く抱いた。
もっとも、だからといってあの災害が風化されたわけでは全然なく、その後訪れた仮設住宅のおびただしい数に言葉を失うしかなかったのだけど。
前にお世話になったボランティアセンターも今は県外からの人の受け入れはされていないようだった。ただ、それは野田村に関してのことで、ほかの地域ではまだまだボランティアを募集している。
岩手県災害ボランティアセンター
宮城県災害ボランティアセンター
福島県災害ボランティアセンター
野田村の仮設住宅を見て、己の仕事のみに没頭している今の自分にモヤモヤした思いを抱いている。だからといって今は何もできないのが情けない…。
とりあえず、今自分がやることを必死でやる。なんとも言い訳くさいが。
岩手から帰ってきました。
またまた千草ラーメンの父さん母さんと温泉旅行に行き、混浴風呂に3人で入ってきました(笑)。いや、ほんと楽しかった。新しい露天風呂も開拓できてとても新鮮だったし、あそこはあそこで自然が間近に感じられてよい風呂でしたね。
父さん母さん、ありがとう。
しかしこの久慈というところは東北のなかでもかなり北に位置し(青森に近い)、また新幹線の駅からも非常に遠いため、僕の中ではずっと「なかなか行けない辺境の地」でした。
だから千草ラーメンの父さん母さんに再会するまで23年もかかったのです。
でも去年の夏に彼らに会ってからというもの、今回で4度目の訪問。おもしろいもので、今では久慈はいつでも遊びにいける、ほんとごく近い場所です。
昨日は岩手県の洋野町で講演。
朝から雨だったので、どうかな〜、と思っていましたが、70〜80人の方にお越しいただきました。
みなさんありがとうございました。
講演後は久慈に戻って、千草ラーメンの父さん母さん&三代目の圭介くん、そしてご近所のみなさんと大酒盛り。
ご近所さんのひとりがなぜか金箔をたくさん持ってきたので、日本酒に浮かべてみました。
やっぱり金からいいダシが出て、酒の味もよくなりますね。
で、見た目もきれいなのでみんなでテンションが上がり、学生時代のような飲み会に。途中から記憶がなくなり、今朝目が覚めたら、薪ストーブの前で猫のマンジといっしょに寝ていました。
んで、今日は久慈2日目。
さっきラーメンを食べたとこです。いや、もうなんでこんなにうまいの? マジで近所に欲しい。
で、閉店後、店の一角でパソコンを広げ、これを打っています。どんだけ図々しいんだ。
また今晩も怒涛の飲み会が待っています。
あ、さっきトイレに入ったら、金の延べ棒のような固体が私のお尻から出ました。
*
今日の冗談は「金からいいダシが出て」と「金の延べ棒」でした。
ただ、「金の延べ棒」に関しては99%までは冗談ですが、残りの1%、いや、厳密にいえば0.001%ぐらいは本当です。つまり、金色の小さな粒(1ミリ程度の大きさ)がキラキラついていました。きれいだったなあ。
先日、取材で兵庫をチャリ旅したのだが、山間部に入ると栗がたくさん落ちていた。路上にコロコロと。
で、見つけるたびに自転車をとめ、栗拾いを始めるものだから毎日のようにナイトランになってしまった。
で、昨日、栗ごはんをつくろうと、その栗をむいていったのだが、出るわ出るわ、かわいい虫たち。栗の養分を体いっぱいに蓄えてブヨブヨに太った蜂の子のような白い虫が、95%ぐらいの確率で栗に巣食っており、ぷにぷに頭を振って踊っているのである。
あまりに愛らしく、かつ大量だったため、ほじくり出して小皿にとり、バターで炒めて食べたら、ほんのり甘くておいしかった。
そして、メインの栗ごはん。
バカうま。
ほんとはもっと大量に栗をとっていたのだけど、栗好きの栗田鳥夫にその大半を奪われた。虫入りとも知らず。ざまあみろ。
あ、虫をバターで炒めて食べたという話はもちろん冗談です。まさか信じた人はいないと思いますが。
丹後の取材ツーリングの途上、竹松うどん店に寄った。
店主はじつにユニークな男で、うどん好きが高じて大学卒業後は讃岐うどんの名店で3年間修業し、その後、ボックス型ワゴン車にうどんの道具一式をのせ、全国各地で手打ちうどん店を開きながら、各地のうどんを食べて研究を重ねるという「うどん武者修行の旅」を2年やった。竹原くんという。テレビなどでも紹介されているから、ご存じの方もいるだろう。
その旅を終えて、郷里の綾部に帰ったのが2年前。それから1年後に自分の店を出した。
僕は3、4年前に友だち経由で彼のことを知り、「うどん旅」の途上にいる彼をつかまえ、僕の連載「リアル旅人図鑑」に出てもらった。
この「リアル旅人図鑑」もはや連載6年目を迎え、60人以上の人に出てもらっているが、そのなかでも竹原くんはとくに印象的な男だった。
とにかくブレがない。自分はうどん、その信念に毛ほどの迷いもないという感じだった。
そもそも武者修行の旅もシャレでやったのではなく、うどん店を開くために必要なプロセスなのだと彼は語っていた。帰郷後、わずか1年できちんと自分の店を出すあたり、その言葉の確かさを裏付けている。
そして、その行動のすべての原動力となっている、うどんへの愛情と情熱。一心に何かを愛せる人は本当に強い。そう思わずにはいられなかった。
で、今回、その彼の夢の具現、「竹松うどん店」を抜き打ちで訪ね、3、4年ぶりの再会を果たした彼とひとしきり騒いだあと、うどんを頂いたわけだけど、いや、びっくりした。たんなる「かけうどん」がおそろしくうまい。前に彼を取材したときにいただいたうどんもうまかったが、今回食べたうどんのうまさたるや、何かを超越したような味で、すすった瞬間、目をつぶって「ああ……」と感嘆の声をもらしてしまう。武者修行はしっかり実を結んでいるのだな、とつくづく感心した。
それにしても彼のこだわりっぷりときたら。化学調味料無添加のダシなんて当たり前で、経験と研究から導き出した複数種の小麦粉の配合、そしてなんといってもマキ釜。麺をゆでるお湯をマキで沸かしている。ガスで沸かしても一緒だろ! と思われるかもしれないが、これが違う。麺の温まり方が柔らかくて、芯までホカホカになる感じ。ちょうど温泉に浸かったよう。だからすすっていると、「ああ……」となる。で、食べたあとは、体もやっぱり温泉に入ったようにポカポカになっていて、それが長時間続くのである。ほんと不思議だ。うどんを心から愛する男が作ればこうなるんだな、と妙に納得してしまった。
店はひどく辺鄙なところにある。綾部市といっても、外れの外れ。熊やヒバゴンが歩いていそうな山里。だけど人とはほとんどすれ違わないような村にぽつんと建っている。自分の郷里を活性化したいという思いから、商売に必須の「立地」という条件をハナから無視。本物を提供すれば客は向こうからやってくる。そうして名物の店になれば、地元に人が呼べる。そんな考えらしい。逆転の発想というか、おそろしく前向きというか。しかし実際、開店1年足らずで、正午ともなるとすごい混雑ぶりなのである。
でもそれもわかるのだ。3日前に食べたばかりなのに、僕もまた食べたくてしょうがなくなっている。あの体のポカポカする幸福感が恋しくてならないのである。
竹松うどん店
京都府綾部市志賀郷町儀市前13
0773-21-1665
11:00〜15:00オープン
7と8のつく日はお休み
行き方
ブログ
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その竹松うどん店が東京石神井で開かれる「うどんファンタジスタ」に出店します。10月27日(木)、平日の1日だけ、しかも時間が10〜16時というきわめて訪れにくい条件での出店ですが、よかったら。ここではマキ釜を使わないため、お店で食べる味とは違ってくると思いますが。
和歌山の紀ノ川市で講演しました。
バイコロジーシンポジウムの全国大会ということで、主催者や来賓として列席されているのは、元経済産業大臣の二階氏、自民党幹事長代理の世耕氏、自転車関係のドンなど、そうそうたる顔ぶれ。
内容もじつに、なんというか、勉強になる貴重なお話ばかりで、大学教授による自転車と健康の学術的な講演から、観光産業と自転車振興のパネルディスカッションまで。ま、早い話、壇上に上がった人の中でジーンズ姿なんてふざけた野郎は僕だけでして、ええ。
その場違い感が自分としてはおもしろくて、また、会場の厳かな空気が変わったら愉快だな、などという邪気も働きまして、いつもより心もちテンション高めでトークをしてきました。ああ気持ちよかった。
それにしても、諸先生のお話をお伺いしていると、自転車ブームというのをあらためて感じますね。これをブームで終わらせるのではなく、しっかしりした文化として定着させなくてはならないと思います。おお、マジメなコメントだ。
但馬および丹後半島の取材ツーリングを終え、いまは大阪のホテルに投宿している。
で、久しぶりにテレビなどという文明品でのんびりニュースなどを見ていたのだが、「アイフォーンの新しいヤツ発売」ってのがトップで紹介されていた。それを求める長蛇の列が画面に映っている。
あっけにとられながらそれを見ていたのだが、あるシーンで、エッ!? と驚いた。
若い男がインタビューにこう答えていたのだ。
「ブームにのっかろうかなと思って」
一瞬ヤラセかと思ってしまった。
便利だから買う、というのならわかるが、ブームだから……?
でも実際どうなんだろう?
アイフォーンに限らず、自分はブームだったらよけいに持ちたくないと思ってしまうんだけど。みんなと同じことをやるほうがカッコ悪いと思うから。
でも、こういう考えのほうが少数派なんだろうか?
もちろん、ブームというものがある以上、上の考えは少数派には違いないのだろうけど、どの程度マイナーなのか?
テレビカメラの前で恥ずかしげもなく「ブームにのっかろうと思って」と発言する男を見ていたら、よくわからなくなった。