石田ゆうすけのエッセイ蔵

旅作家&エッセイスト、石田ゆうすけのブログです。


※親サイトの『7年半ぶっ通しチャリ世界一周』はパソコンを新しくしたためにストップしたままです。
近況報告や各種案内は、もうしばらく、当ブログにて行います。
とてつもない本

昨日チャオという男をこのブログに書いたが、
そのチャオから、
「これマジ超おススメです!」
と紹介された本がある。
読み始めると、止まらなくなった。
『我が志アフリカにあり』だ。

タンザニアのザンジバル島に四半世紀住み、
地元の人々のために、
魂をすべて捧げて活動している
島岡強(つよし)という人の半生記である。
本は妻の由美子さんが書いている。

とにかく彼の生き様がすごい。
自分がこの世のために何ができるか、
という問いに真正面から向き合い、
一寸の躊躇もブレもなく、
一期一会を徹底的に実践し、
あらゆる人を受け入れる。
そんな島岡氏のもとには大勢の人が集まってくる。
そうして彼は地元の人々の信頼を得、
不可能を可能に変えていくのである。

読んでいると、どんな親のもとで育ったのだろう、
と考えずにいられなくなるのだが、
その解は本の中頃にあった。

島岡氏は小1のころ、自転車を盗まれたらしい。
そのことを父親に訴えると、ビンタが飛んできたそうだ。
そして父はこう言った。
「困った人が持っていったのだから、
『ありがとう、どうぞ自転車を使ってください』
という気持ちになるのが本物の人間だ!」

繰り返すが、
小1の息子を張り飛ばして、
言った父親の台詞である。

読みながら絶句すること数知れず。
こんな人間がいるのか…と心底圧倒される。
くわえてこの本のいいところは、
島岡強氏自身ではなく、
奥さんが書いているだけあって、客観的で、
それゆえに非常に好感が持てる。
またおそらくその客観性があるからこそ、
「自分は世の中に何ができるか?」
「どう生きるべきか?」
「人とどう向き合うか」
といった普遍的なテーマに
しっかりと昇華させることができているのである。
だから読んでいてものすごく力がわく。
体の芯からカッカと熱くなる。
本の後半で由美子さんはとんでもない目に遭うのだが、
そのくだりは涙なしでは読めなかった。

彼らのような生き方は到底無理だけど、
しかし、常により高い志を持って、
己が社会に何ができるか考えながら、
人生を生き抜くことが大切なのだ、と思えた。
本書を読んで、
自分がいろいろ忘れていたことに
気付かされたような気がしたのだ。

行きづまっている人、
モチベーションがわかない人、
悩んでいる人、
そしてすべての人に、
ほんとおススメです!


島岡夫妻はさまざまな活動をされています。
詳細はこちらのサイトで→こちら

| 生活 |
一輪車を使って世界をまわる

一輪車を持って世界一周した男がいる。
某日、その男、チャオを取材したのだが、
じつにおもしろかった。
一輪車といっても、
さすがにそれに乗って
世界一周をしたわけじゃない。
一輪車はコミュニケーションツールだ。
実際、アフリカや東南アジアでは、
子供たちが満面の笑顔で食いついてきたらしい。
それは想像しやすい話のように思うのだが、
へええ、といたく感心したのは、
ピラミッドのラクダ使いまでが
客と客引きの関係を越えた
人懐っこい顔で笑い、
一輪車でキャッキャッと遊んだあと、
「お前はタダでいいからラクダに乗っていきなよ」
と言った、という話である。
それには僕は声を上げて驚いた。
多くの旅人が“世界一手ごわい”と
認める連中である。
そんな彼らまでが…。
(もっとも、その誘いに応じて本当にラクダに乗ったら
あとで金を請求してくるのかもしれないが…笑)

それにしてもこのチャオという男、
一輪車で日本代表になっただけでなく、
ブレイクダンスもやっていて、
そちらでは国内二連覇、
はては世界大会でも二位、
さらには……と
挙げだすときりがない。
とにかくとんでもない男である。

そんな彼の記事は
来年2月10日発売のビーパルに掲載予定。
お楽しみに!

でもその前に、ぜひこれをご覧あれ。
「世界一周 with 一輪車」旅行を
彼自身がまとめた動画です→こちら
ほんとセンスの塊。
1年もの旅をわずか5分弱にまとめています。
チャリ世界一周旅行を3冊もの本にする
低能とはきわめて対照的ですな(笑うとこ)。


上の動画はスマホや携帯では
見られないみたいですね。
そういう方はこっちを試してみてください。
チャオのHPです。こちら
こちらでもダメなら、
別の動画ですが、こちら
ぜひご覧あれ!
すごいから!


| |
発狂するケーキ職人

昨日、こんの純一さんの個展に5人で行った。
5人のうち3人は初めてこんのさんの絵を見たのだけど、
僕が最初そうであったように、口をポカンと開け、
食いいるように絵を見つめていた。





こんのさんのすごいところは、その描写力もさることながら、
絵が完全にひとつの詩になっているところ。
見る者を夢見心地にさせる深遠な世界を
鉛筆と紙だけで創り出している。
ギャラリーを出たあとは
みんなうっとりした顔で駅まで歩いたのだった。

そのあと我が家に帰ってパーティー。
メンバーのなかに12月24日生まれの男がいて、
それだけにセイヤという名前までついているのだが、
聖夜にひとりで寂しく過ごしそうだったから、
我が家に呼んだのだった。

で、私は初めてケーキなぞを作りました。
いや、厳密には虎キチKが9割がた作って、
僕はデコレーションをしただけなのだけど。
でも生クリームを詰めた絞り器(袋?)を
フニョッ、フニョッと動かして、
ケーキの上にミニウンコをたくさんのせていると、
ケーキ職人が崇高に思えてきましたね。
楽しかったのは最初だけで、
3分の1ぐらいから、
アチョー!と奇声を上げて、
ケーキにヘッドバットをしたくなりました。

でもま、なんとか完成。
(アップにはとても耐えられない)

リーくん、リエちゃん、虎キチK、僕、そしてゴリラ。

なぜか2人の女子に囲まれてケーキ入刀。


見た目はアレだけど、
味はなかなかでした。
というか、さっき1日たったものを食べたら
めちゃうまかった!

| 生活 |
たしかにウマい!ピェンロー

グルメ雑誌「ダンチュウ」で
超おススメ!と紹介されていた鍋
「ピェンロー」をやった。
メンバーは阿佐ヶ谷のトキワ荘こと
H荘の元住民たち。
このH荘には今年の4月までいたのだが、
両隣のMくん(映画監督)およびYくん(変態)とは
醤油味噌トイレットペーパーを貸し借りしたり、
合鍵を渡して、留守中は部屋を勝手に
使ってもらったりする仲だったのである。
MくんもYくんも今はH荘を出たので、
隣人関係は終わったのだが、
2人とも阿佐ヶ谷に住んでいるので気楽に会えるのだ。

ともあれ、これがピェンロー。


まずそう!
でも食べてみるとメチャうま!
さすがダンチュウ。
干しシイタケを一晩漬けておいた戻し汁に、
鶏モモ、豚バラ、白菜をぶちこんで40分煮込み、
最後にハルサメを入れ、
ごま油をかければ出来上がり。簡単!
食べ方に特徴がある。
お椀に入れるのは塩と一味(七味も可)だけ。
そこにスープを入れると、それがつけ汁になるというわけだ。
このスープが「うめええええええっ!」

いや、こりゃすごい。
食材のすべてに意味が感じられる。
干しシイタケも、鶏も、豚も、ハルサメも、白菜も、ごま油も。
これのどれが欠けてもダメ。
逆にいえば、これらが融合すると
完璧なバランスが生まれる。
見事な調和である。
たしかにこれはおススメ。
ということで、今日はクリスマスイブ。
クリスマスといえばピェンロー! 決まり!


僕が持っているのはゆず酒。
これも激ウマ。平山サンキュー。

| グルメ |
東京駅の光と音楽ショー
昨日はアフリカを一緒に走ったジュンの家に遊びにいき、
超絶ウマいキッシュやニョッキやプッチョを食べたあと、
(最後のは韻を踏んだだけ) 
みんなで東京駅に繰り出した。
プロジェクション・マッピングを観にいこうということで。
これ、有名なんですかね?

いちおう説明しておくと、
このプロジェクション・マッピングというのは、
建物に映像を映すパフォーマンスのことで、
建物の形状に合った映像が投影され、
立体的な演出が行われるのが特徴。
……合ってますかね?

で、東京駅に行ったわけだが、
いやはやびっくりした。
人の多さに。
「押すなボケ!」
ともうすぐで叫ぶところだった。

ショーはなかなかおもしろかったが、
それよりも前にやったヤツのほうがよかったみたい。
ユーチューブで確認すると、たしかにすげえ!
こちら

| 生活 |
飛行機の速さ
関西には1泊しただけで、
東京に戻ってきました。
飛行機で東京−大阪間を移動したのは、
今回が初めてだったのですが、
いや、不思議なもんですね。
わずか1時間で、いきなり関西弁の世界。
「えっ…?」と一瞬ポカンとなってしまいます。
ちなみに新幹線だと移動時間は3時間。
たいして変わらない気もしますが、
世界の変化にポカンとなる感じが、
1時間と3時間じゃ、
なんかずいぶん違うものでしたよ。

ところで、僕の大好きな鉛筆画家、
こんの純一さんの個展が、
小金井市で開かれています。
今週日曜日、クリスマスイブまで。
武蔵小金井駅から徒歩12分の
ギャラリーブロッケンにて。
詳細はこちら
じつは僕もまだ見ていないのですが、
この週末に行こうと思っています。
ほんと素敵な絵を描かれるので、
お近くの方はぜひどうぞー。

| 生活 |
超絶ウマい揚げ出し豆腐

京都での講演、楽しかった!
大学での講演は久しぶりだったから、
話していて、なんか妙に熱っぽくなりました。

で、京都に来たら、
行くところは決まっています。
居酒屋の「おもて」!

いやあ、相変わらずとんでもないウマさ!
オッチャンの手は魔法です。
オッチャンの手にかかれば
すべてが光り輝き、
口に入れた瞬間、
「ウホッ」と前につんのめってしまいます。
ちなみに過去のおもての記事→こちら

今回はカメラマンの安田くんと飲んだのだけど、
料理を口に運ぶたびに2人して、
「ウホッ」
「なんじゃこりゃ」
「ウホッ」
「おかしいで」

ヨコワもブリも甘くて、
やわらかくて、
まるでケーキでした。
揚げ出し豆腐は、
艶やかな京豆腐がうまいのは当然のこと、
それに添えられる大根おろしや
ショウガやネギにいたるまで、
そして当然出し汁も含めて、
どれも隙がないって感じで、
「ウホッ」
「なんでこうなんの?」

ああ、またオッチャンマジックにかかって、
飲みすぎてしまいました。
あまりに上機嫌になったので、
僕らは久しぶりに夜の町をガキのように走って
家(安田邸)に帰ったのでした。

京都に行ったら、この「おもて」、
ぜひ行ってみて!


エビイモとカニ
ひでぶっ。


ブリかま焼き
いやもう変でしょ、このウマさ。


大将の長谷川オッチャン。
食材を光らせる魔法使いである。
手から絶対なんか出てるわ。

| グルメ |
ツイッターかよ

いま羽田空港です。
時間があまったので、
ちょっといたずら書き。
これから京都の某大学で講演してきまーす。

| - |
目が飛び出るコーヒー

おそろしく高いコーヒーを秋田で飲んだ。
おそらく僕史上最も高い豆を使って
いれられたコーヒーだ。

比較のためにスーパーのコーヒー豆を挙げれば、
安いものだと200gが300円ぐらいか。
100g換算だと150円だ(当たり前か)。
ついでコーヒー専門店だと、
安いもので100gが400円程度。

で、今回、秋田で飲んだコーヒー。

100gが、なんと、、、


6000円。
六千円。
ろくせんえん。


シャンパンボトルに入っている。

香りがまるで違う。
飲み口はどこまでソフト&マイルド、
でもそのあと、焙煎直後の光るような香りが
鼻から口からにじみ出て、顔中を覆う。
それがしばらく続く。
コクや旨みもあとから煙のように膨らんでくる。
目をつぶり、うっとりとなる。

にかほ市在住のQさんがご馳走してくれた。
食通で、オシャレで、いかにも粋を好む紳士である。
知人を通して知り合い、
秋田に行くたびに顔を合わしたり、食事したりしている。
「どうだ、このコーヒー?」
恍惚の思いで飲んでいる僕を見ながら、
Qさんはいたずらっ子のようにニタニタしている。
御年、73歳か74歳なのである(たしか)。

旅が好きで、うまい店を求めてあちこち飛び回っている。
その行動力には恐れ入るが、
それ以上に感嘆したのは次の話。

飛行機に乗るのがお好きらしい。
なぜなら、隣にどんな人が座るのか、
いつも楽しみだから、だそうだ。

御年、73歳か74歳の、しなやかな御仁である。


Qさん、ご馳走様でした〜

| グルメ |
サプライズギフトと友人の作品

土曜に行われた古民家トークライブ。
そこでは参加者の皆さんに、
こんなサプライズギフトが用意されていました。

じゃーん。


イラスト入りのマグカップ。
「夢を聞く会」のKさんが
人数分のカップを焼いて作ってくれました。
イラストは僕の作です。


カップの内側にも自転車が。

大変な作業だったと思います。
Kさん本当にありがとうございました。

それにSさん、Kさん、Yさん、
今回もいろいろお世話になりました。
そしてお越しくださった皆さん、
ありがとうございました。


昨日東京に帰ってきました。
その足で、友人の音楽家、
高橋英明さんの作品展へ。

3.11以降の、日本が抱える現状を
サウンドとインスタレーションで
表現した体感式の作品です。
その中を歩いていると、
無数の蜂が体に触れるような奇妙な痒みと、
地面が揺れるような錯覚に包まれ、
ざわざわとした落ち着かない気分になります。
こういうの大好きなんだよなあ。

今週の水曜までですが、
よろしければぜひ。

詳細は、以下、
高橋さんの文章で。


現代の私たちの生活は、
数多くの”見えないもの”
”聞こえないもの”に
囲まれて生活をしている。
wifiや携帯の電波、
紫外線や赤外線、
そしてまた、昨年の3.11以降、
大きく問題になっている放射線など、
”見えないもの”
”聞こえないもの”に
日常的に取り囲まれれているにもかかわらず、
我々はほとんどそれらを知覚することはできない。
このサウンドインスタレーションでは
それら”見えないもの”
”聞こえないもの”を
視覚化、聴覚化し、
直感的に体感してもらう試みである。

期間:12/15(土)〜12/19(水) 
時間:12:00-21:00
場所:CALM & PUNK GALLERY
入場:無料
CALM & PUNK GALLERY
東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル1F 
http://www.calmandpunk.com/home/access.html


以上。

今日はあえて選挙には
触れませんでした(笑)。

| 生活 |
★新刊が発売されました
『自転車お宝ラーメン紀行』 レトロな路地や古い喫茶店など都内の“お宝”を探索しつつ、昔ながらのラーメンを目指す大冒険(?)紀行です。産業編集センター刊。1100円+税。感想お待ちしています!→yusukeishida@hotmail.com
★dancyuウェブに連載中
食の雑誌「dancyu」のウェブサイトに「世界の〇〇〜記憶に残る異国の一皿〜」というアホな記事を書いています。→https://dancyu.jp/series/ikokunohitosara/index.html
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2012 >>
LINKS
PROFILE
RECOMMEND
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
7年走って見つけた世界一の宝とは?
RECOMMEND
RECOMMEND
洗面器でヤギごはん (幻冬舎文庫)
洗面器でヤギごはん (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
食べ物ストーリーでつづる世界一周紀行
RECOMMEND
道の先まで行ってやれ! 自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (幻冬舎文庫)
道の先まで行ってやれ! 自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (幻冬舎文庫) (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
ニッポン飲み食いハチャメチャ自転車紀行。文庫改訂版
RECOMMEND
地図を破って行ってやれ!  自転車で、食って笑って、涙する旅
地図を破って行ってやれ! 自転車で、食って笑って、涙する旅 (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
日本紀行第2弾。東京、茨城、滋賀、屋久島、種子島、土佐、北海道、熊本、三陸…
RECOMMEND
大事なことは自転車が教えてくれた: 旅、冒険、出会い、そしてハプニング!
大事なことは自転車が教えてくれた: 旅、冒険、出会い、そしてハプニング! (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
旅のハプニングやノウハウをつづった実用エッセイ
RECOMMEND
台湾自転車気儘旅 世界一屋台メシのうまい国へ
台湾自転車気儘旅 世界一屋台メシのうまい国へ (JUGEMレビュー »)
石田ゆうすけ
台湾一の感動メシを探せ! 初のフォトエッセイ
RECOMMEND
道の先まで行ってやれ!―自転車で、飲んで笑って、涙する旅
道の先まで行ってやれ!―自転車で、飲んで笑って、涙する旅 (JUGEMレビュー »)
石田 ゆうすけ
ニッポン飲み食いハチャメチャ自転車紀行
RECOMMEND
「勝ち論」 本気で仕事する24人からのメッセージ
「勝ち論」 本気で仕事する24人からのメッセージ (JUGEMレビュー »)

「本気で仕事する24人」にぼくが入っています(笑)。デカイこと言っています。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
SPONSORED LINKS