石田ゆうすけのエッセイ蔵

旅作家&エッセイスト、石田ゆうすけのブログです。


※親サイトの『7年半ぶっ通しチャリ世界一周』はパソコンを新しくしたためにストップしたままです。
近況報告や各種案内は、もうしばらく、当ブログにて行います。
ますます楽しみになってきたW杯

W杯前の国内最後の試合。

2日前に来日し、時差ボケに苦しんでいたガーナの選手相手に

ほとんど見せ場もなく0-2で完敗、と

W杯本戦にますます期待を抱かせる内容だった。

って、なんですかあれは?

 

ハリル政権の末期は、

選手との不協和音が見てとれたうえに、

試合展開にも可能性を感じられなかったから、

今回の監督交代は英断になるかも、

と僕は少し期待していたのだが、

監督云々ではなかったらしい。結局は選手だ。

4年前に惨敗したときから一歩も進化していないように見える。

いや、その惨敗時の選手の顔ぶれがほぼ変わらないうえに、

加齢による彼らのパフォーマンス低下も明白、

しかも彼らを凌駕する圧倒的な選手もいないから、

どう考えても4年前よりはるかに弱いではないか。

となると、理屈では

前回以上にひどい結果で終わることになる。

もちろん応援はするけど、

その一方で、どのぐらい無様に散るだろう、

というサディスティックな興味がわいてきて困っている。

 

でもまじめな話、

ラッキーボーイになりそうなフレッシュな選手を

ひとりぐらい入れてもよかったと思うなあ。

グループリーグを突破した過去の2大会、

すなわち日韓のときの稲本や、

南アのときの本田のような選手だ。

いまならやはり中島翔哉でしょう。

W杯本戦で必要なのは、ポリバレントではなく、

番狂わせを起こす”勢い”や”ワクワク感”だと思うんだけど。

 

とりあえず、初戦のコロンビア戦、

引き分け狙いでいくなら、

選手11人全員をゴール前に並べる布陣はどうでしょう。

 

 

 

 

 

| スポーツ |
カメジローの映画

気になっていた映画のチラシが

新聞の折り込みに入っていた。

これ。

 

 

戦後、アメリカの沖縄統治に抵抗しつづけた瀬長亀次郎の

ドキュメンタリーフィルムだ。

成蹊大学で無料上映会をやるというので

無料に弱い僕はすぐに飛びついたのだが、いやよかった。

右も左も関係なく、日本人は全員見るべしと思った。

驚いたのは亀次郎氏が那覇市長になったときの

米軍の嫌がらせの数々。

なんと市の水道をとめたらしい。この近現代で水攻めである。

さらには銀行預金を凍結し、市政運営妨害、

といったえげつないことまでする。

それに対し市民は自ら納税に行き、財源確保に協力するのだ。

 

そのように占領する側の横暴と、それに抵抗する

亀次郎氏および沖縄県民の不屈の精神が描かれている。

この映画が映し出すのはアメリカと沖縄の戦後史だが、

しかしあぶり出しているのは

現在まで続くアメリカと日本の関係の縮図だ。

だから思想に関係なく、事実認識のために、

日本人全員が見るべし、と思うのである。

 

この映画が、無料で、折り込み広告まで入れて、

そして、米軍辺野古移転を力ずくで進める

安倍晋三氏の出身大学で上映される、というのがおもしろい。

300人が入るホールは大入りだった。

ただ白髪の方ばかりで、ざっと見た感じ、

僕より若い人は1人だったような…。なんとも情けない。

大学で無料でやっているんだから、学生ももっと来たらいいのに。

 

あちこちで上映会が開かれているみたいなので

機会があればぜひご覧あれ。

上映会スケジュール

 

『米軍が最も恐れた男、その名はカメジロー』公式サイト

 

 

| 映画 |
カオスに包まれる阿佐ヶ谷スターロード

わが阿佐ヶ谷がなぜ世界一の町と言われるかというと

その理由のひとつがスターロードだ。

風情満点なのである。こんな風に。

 

 

僕の家はこの通りを抜けたところにある。

毎日旅をしている気分に浸りながら家に帰るのだ。

 

この昭和な通りで昨日「スターロードフェスティバル」が開かれた。

いまちょっとバタバタしているので、

その誘惑に負けずに仕事をする予定だったのだが、

12時になると太鼓が鳴り、お囃子が聞こえ始めた。

我慢できたのは1時間程度だった。

 

やにこい人。インド状態。

(やにこい=「すごい」の紀南弁)

 

ここの名物は100円カレー。

検索して調べてみたところ、38店舗が出していたらしい。

つまり38種類のカレーが1皿100円で楽しめるというわけだ。

グリーンカレー、マトンカレー、豆燻製カレー、エトセトラ、

店ごとに趣向を凝らしたカレーを出していて、

これがちゃんとした本格カレーで、どれもかなりうまい。

 

音楽もあふれている。

 

沖縄のエイサーとか、

 

アイリッシュとか、

 

阿波踊りとか、

なんでもありで、

カオスに包まれ、笑顔があふれ、

やっぱり世界一の町だなあと。

阪神も5連勝したし。

 

| 生活 |
短歌と俳句の五十番勝負

出版社からこういう本が届いた。

 

 

『短歌と俳句の五十番勝負』

穂村弘×堀本裕樹著

 

歌人の穂村さんと俳人の堀本さんが

いろんなジャンルの人から出されたお題で

短歌と俳句をつくるという趣向。

それぞれの歌や句にはエッセイもついていて

歌集というより読み物に近いか。

いやおもしろかった。

お題がめちゃくちゃである。

 

藤野可織(作家)…「信じられない」

又吉直樹(芸人)…「唾」

新妻香織(相馬市議会議員)…「放射能」

長嶋有(作家)…「部長」

藤田直哉(文芸評論家)…「共謀罪」

小松孝知(運送業)…「おいてけぼり」

 

などはまだいいほうで、

 

荒木経惟(写真家)…「挿入」

ビートたけし(コメディアン)…「夢精」

壇蜜(タレント)…「安普請」

 

上のふたつは、出題者の名前がなければ

「小学生か!」という感じだし、

壇蜜さんはどこからこのお題を思いついたんだか。

やっぱり並みのセンスじゃないなと敬服してしまった。

(上の二氏じゃなくて壇蜜さんが)

 

これらの無理難題におふたりとも見事に応え、

それぞれのスタイルに基づいた歌と句をつくりあげていく。

(作風が対照的だから、コントラストもおもしろい)

その歌や句がつくられた背景のエッセイを読んでいると、

歌人・俳人の言葉に対する感受性に唸らされてしまう。

 

ふと思ったのが、お題の言葉自体に詩情があれば

歌も句もますます力を増すのかなと。

たとえば「古本屋」。もうこれだけで匂いたつ言葉というか。

黒船レディと銀星楽団という楽団(?)がいるのだけど、

彼らの「古本屋のワルツ」という歌は

世の中に古本屋という言葉がなかったら

生まれていなかっただろうなという名曲です。

 

閑話休題。

この本の中の「古本屋」というお題に対する歌と句が

僕はもうほんと大好きで、

んでそのおふたりのエッセイもすんごく素敵。

(穂村さんのほうは噴き出してしまった)

「カルピス」の歌と句もいい。

「古本屋」は言わずもがな、

「カルピス」もその語自体に詩情を感じません?

 

あ、それでなぜこの本が出版社から僕に届いたかというと、

僕も50人の出題者のひとりとして参加させてもらったから。

 

菱刈チカ(整体師)…「背骨」

北村篤生(牧師)…「罪」

 

のように、出題者は己のバックボーンを

反映したお題を出すことが多く、

編集者もそれを期待しつつ

いろんなジャンルの人にお題を依頼したんだろうけど、

旅行作家としての僕が出したお題は、ある動詞。

一見、旅とは無縁の言葉だけど、実はすごく関係があって、

各地で僕が見とれた人々のある表情を表す言葉なのだ。

この語から生まれる歌や句を見たい、と思って出したわけだが、

期待にたがわず素敵な作品をつくっていただいた。

 

短歌や俳句になじみのない人もエッセイがあるから楽しめるし、

日常が豊かになるという歌や句の効用も

同時に得られる本だと思うので、よかったら。

 

装丁もめちゃ凝っています。立体&銀ピカ。

 

| 生活 |
和歌山のかつての栄華

和歌山市の市役所は和歌山城の向かいにある。

14階建てで、その最上階は

小山の上の和歌山城とちょうど同じぐらいの高さだ。

その14階に展望レストランがあり、

一面ガラス張りの壁からドーンとお城が見えるのである。

先日この市役所で講演した際、

昼飯にそのレストランに案内されたのだが、

一歩入った瞬間、思わず声を上げてしまうほどの絶景だった。

 

 

ふだんは田舎自慢するのにネタに事欠かないわが県であるが、

これを目にした瞬間、よっ!と内心叫ばずにいられなかった。

「さすが御三家!」

 

 

 

| 生活 |
大阪の水

大阪で高校の同級生と飲んだ。

2軒目がこちら。

 

 

これを食べると帰ってきたな、と思う。

今では東京にもたこ焼き屋はたくさんあるが、

どこか味が違う。

水かな、と思う。

大阪は水が軟らかい感じがする。

だからか大阪は銭湯も気持ちいい。

 

| 生活 |
ヒデキの歌声

西城秀樹が亡くなったことは驚いたけれど、

胸が締め付けられるような、という感じではなかった。

仕事に追われていて、感じる余裕がなかったのか、

それとも世代がちょっと違うからか、はたまた。

 

でも昼飯を食べながらワイドショーを見ていて、

「走れ正直者」がかかったときは

なんだか茫然としてしまった。

そっか。もうこれを熱唱していたヒデキはいないんだ。

それ以来、仕事中も気を許すと、

「リーンリンランランソーセージー」

とヒデキの声が流れ始め、

そのたびになんか胸がいっぱいになる。いい歌だよなあ。

ご冥福をお祈りします。

 

明日講演なのでこれから大阪へ参ります。

高校の連れと飲むために。

| 生活 |
抗議をする人たち

前回、一方の視点から書き殴ったので、

別の視点も書いておこうと思う。

エルサレムへの米大使館移転が行われる前日の新聞だ。

読み落としていた。

 

エルサレム市中心部で12日夜、

イスラエル人ら数百人が

「和平を壊すな」などと叫びながら、

米大使館の移転に抗議するデモを展開した。

米国出身のユダヤ人の男性は

「大使館移転はパレスチナとの和平を崩壊させる。

ユダヤ人として恥ずかしい」と話した。

 

途中まで読んで、えっ?と読み返した人が何人いるだろう。

僕もそのひとり。えっ、主語を読み違えた?と。

そう、「イスラエル人ら」が抗議デモをしたのだ。

 

当たり前だが、いろんな人間がいる。

僕が旅行中に仲良くなったイスラエル人の中にも

パレスチナ人に同情的な男がいた。

でも圧倒的少数派だったし、

その彼にしても結局は「仕方がない」と諦観していた。

 

エルサレムで、彼らユダヤ人がその抗議をするのは

勇気のいったことだと思う。

 

「ユダヤ人として恥ずかしい」という言葉は重い。

前回僕も書いたが、この「恥ずかしい」と思う心、

つまり客観視して自戒する心が、

人と人が交じり合ううえで、本来は大切なんじゃないか。

 

どこかの大統領には、ちょっとそういうのは見当たらない。

 

 

| 社会 |
トランプが平和賞?

ここ数日バタバタしていたので、

世の中にうとくなっていたのだが、

読めなかった最近の新聞を読んでいたら

腹が立って仕方がなかった。

アメリカ大使館のエルサレムへの移転。

前にも書いたが、

トランプの数々の愚行の中でも最たるものがこれだろう。

しかしまさかこんなに早く実施されるとは。

トランプの中間選挙のためという思惑が

露骨に見え隠れする。

 

さらに腹が立つのは

アメリカのこの動きに追随する国が

わらわらと出てきたこと。

イスラエルが誘っているのだ。

各国の大使館がエルサレムに移転することで、

エルサレムが首都だと

国際社会に認めさせたいのである。

イスラエルのやり方だ。

首相のネタニヤフは各国にこう伝えているらしい。

「初めに大使館を移転した10か国は

優遇扱いを受けることができる」

言っていて恥ずかしくないのか(ないだろうな)。

 

移転への抗議デモがパレスチナ各地で起こり、

その民衆に向けてイスラエル軍が実弾を撃ち、

60人以上が亡くなったらしい。

ラマッラでも抗議デモへの発砲があったとか。

僕が世界旅行中にイスラエルとパレスチナを訪れたときは

インティファーダ(民衆蜂起)の大きいうねりが起きたときで、

僕もラマッラのデモに参加した。

といってもまあ弾が届かない後ろのほうで

群衆にまじって歩いていただけだが。

石を投げるだけの、丸腰の民衆たちに

イスラエル軍は実弾を撃ちまくっていた。

そのとき交流したパレスチナ人たちのことが忘れられないから、

起承転結も考えずに推敲もせずに

ここにこうして書き殴っているのだ。

 

トランプの票集めのため、

というすこぶる個人的で矮小な目的のために、

パレスチナから平和が葬り去られたのだ。

北朝鮮との首脳会談がうまくいったとして、

万が一、万が一、トランプに

ノーベル平和賞が与えられるようなことがあったら、

同賞の権威も地に落ちる。アホすぎる。

このブログを読んでいるノーベル賞の選考委員のみなさん、

そこんところを肝に銘じるように。

 

 

| 社会 |
オッサンがうずうずする映画

このところある原稿に苦労していたのだが、

なんとか完成。編集者からのOKも頂いた。

ということで、ようやく訪れた達成感を胸に映画館へ。

『レディプレイヤーワン』

ゲームの世界が現実を覆った近未来、

ヴァーチャルの世界に隠された宝を求めて

人々や企業が戦いを繰り広げるという話。

僕はゲームをまったくしないので、

その世界にはまるで興味がなかったのだけど、

こいつが出る、

ということで見逃すわけにはいかなかったのだ。

 

 

以前、映画館の予告でちらっと一瞬だけ映って、

「え? 今のって…」

と思ったのだけど、まさか本当に出るとは。

 

ゲームの世界だから、登場人物たちは

いろんなキャラクターになって活躍するのだけど、

驚くぐらい日本産のキャラばかりだった。

日本向けの宣材という意味があるのかもしれないが、

80年代、オタク、ポップカルチャー、

といったこの映画の世界観を表すためには

日本産キャラは欠かせなかったのだろう。

しかし、まさかガンダムvsメカゴジラの対決が見られるなんて!

ありがとうスピルバーグ!

日本人の役者が「俺はガンダムで行く」と

そこだけ日本語で言ったときは会場もバカウケ。痺れたなぁ。

夢の世界に酔いしれた2時間でした。

これまた映画館でアトラクション的に楽しむ1本かと。

 

あと、これはあちこちに書かれているけど、

キューブリックの名作ホラー

『シャイニング』は事前視聴必須です。

めっちゃ盛り上がれますよ。

僕の頭の中ではいまだにあのサントラが流れ、

仕事に支障をきたしています(笑)。

 

もういっちょ。

カキーン。

 

 

 

| 映画 |
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